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製材所から産出される未利用資源の調査結果

 平成9年12月の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」、平成12年1月の「ダイオキシン類対策特別措置法」により、製材所から産出される木質副産物(製材屑等)を焼却処分することに対し、大きな規制がかかることとなり、新たな処理方法を考える必要が生まれました。
 一方、畜産経営では、家畜排泄物を堆肥化するために副資材が不可欠であり、副資材を低コストで安定的に確保することが重要な課題となっています。そこで、真庭農業改良普及センターでは、木質副産物の畜産経営での活用をさらに図るための条件等について調査を行いました。

1 木質副産物の種類別産出量

真庭農業改良普及センター管内(真庭郡内)における木質副産物の年間産出量は約21万mありました。その内訳は、チップ用が約9万2千m (44%)と最も多く、次いで樹皮が5万2千m (25 3 3%)、オガクズが5万m (24%)、端材・木片が1万2千m (6%)、モルダー屑が3千m (2%)とな3 3 3っていました(図1)。

図1 真庭郡における木質副産物発生量
注1)調査期間は、平成12年8月〜平成13年2月。調査対象は真庭郡内製
材所33社。調査方法は、聞き取り形式による。

2 木質副産物は現在どのように処理されているか?

総産出量のうち、焼却処分量は(自社または組合での焼却)1万2千m (6%)で、残りは主にチ3ップ、敷料、堆肥の原料に利用されていました(チップ、敷料、堆肥で総量の89%)。

図2 真庭郡における木質副産物の処理方法別量
注1)調査期間、対象、方法は図1と同じ。

種類別に見ると、焼却処分されているのは、端材・木片、樹皮、モルダー屑の3種類でした。特に端材・木片類は産出量の22%が焼却されており、モルダー屑に至っては、100%焼却されていました。これを量でみると、焼却処分されている端材・木片類は2,589m 、樹皮が6,256m 、モルダ3 3ー屑が3,378m でした(図2)。

3 木質副産物産出量に時期的な変化はあるか?

真庭郡木材事業協同組合の月別オガクズ入荷量を調査したところ、月毎の産出量にはあまり差がなく、毎月ほぼ一定量が産出されていました(図3)。

図3 月別オガクズ入荷量(真庭郡木材事業協同組合)
注1)調査期間、方法は図1と同じ

4 木質副産物の含水率は?

木質副産物を堆肥化処理の副資材として利用する場合に重要となるのが、含水率です。そこで、製材所から産出されるオガクズの含水率を調査しました(図4)。

図4 オガクズの時期別含水量の推移
注1)図中記号Aー1、Aー2はスギ・ヒノキのオガ粉(倉庫集積)。Bはスギのオガ粉(産出直
後)。Cはマツのオガ粉(産出直後)。Dはスギ・ヒノキのバーク(倉庫集積)。
注2)調査期間は平成12年7月〜平成13年2月
注3))郡内製材所3社から時期別にサンプルを収集し、KETT水分計で測定

調査の結果、Bを除き、時期による含水率の大きな変化はみられませんでしたが、やや冬期の方が高い傾向にありました。また、集積した場所等により含水率には大きな差がありました(図4中のAー1とAー2の差)。

5 木質副産物の成分(炭素率)は?

木質副資材のうち、バークとオガクズについて炭素率(C/N)を調査しとところ、バ−クは143で、オガクズでは714〜1,000と大きな差がありました。特にオガクズの値はかなり高いものでした(表1)。

表1 木質副産物の成分分析結果(DM中)

技術解説(調査まとめ)

1 端材・木片、モルダー屑の堆肥化への利用

製材所から産出される木質副産物のうち、今後特に、端材・木片、モルダー屑の堆肥化への利用が期待される。しかし、堆肥化に利用する場合には、さらに粉砕する必要があり、それを個別の製材所で実施すると、加工コストが負担となる可能性がある。

2 安定した品質の木質副産物の供給

オガクズについて調査したところ、特に保管場所により、含水率に大きな差があった。堆肥化に利用する場合には、ある程度一定の含水率となることが理想である。

3 木質副産物の成分にも留意する

木質副資材の種類により、炭素率は大きく異なっていた。良質堆肥を生産するためには、家畜排泄物と副資材の混合時の炭素率が20〜40程度となるよう、木質副産物の炭素率にも留意して、混合比率を設定する。

4 有機資源供給センター(仮名)の設置を提案したい

木質副産物を各製材所において、さらに加工することや一定条件で保管することは、施設やコスト面で難しい。そこで、製材所から産生される木質副産物を集め、効率的に加工(粉砕や混合)するとともに、一定条件で保管する機能を持つ「有機資源供給センター(仮名)」の設置が必要ではないかと思われる。
これまでも、畜産はビール粕、豆腐粕、オガクズ等の他産業廃棄物を循環活用する主たる産業として、社会に大きな役割を果たしてきた。今後、この機能をより発揮することで、これからの循環型社会(ZERO-EMISSION)の構築に不可欠な産業として、畜産経営の存在意義を社会に認識させることが期待される。

真庭農業改良普及センター川口泰治