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バークシャー種の繁殖能力
−おかやま黒豚の繁殖能力−

岡山県総合畜産センター

1.はじめに

 銘柄豚の根拠として,他県の場合は,独自に系統豚を造成している場合が多いため,品種や育種と産地,さらには飼育方法や給与飼料等に特徴があります。
 岡山県の豚肉の銘柄には,「おかやまポーク」と「おかやま黒豚」があります。「おかやまポーク」は,全農の系統豚を交配したもので,その能力は全農から公表されています。一方,「おかやま黒豚」は,鹿児島県と英国からバークシャー種を導入し,純粋種として岡山県で独自に改良を進めております。しかしこれまで,「おかやま黒豚」の繁殖能力についてはほとんど公表されていませんでした。
 そこでこの度,「おかやま黒豚」飼養農家の指針とするため,総合畜産センター(以下当センター)で飼養しているバークシャー種豚の繁殖能力をまとめたので,その一部を報告します。

2.調 査 豚

 平成7年8月から平成11年12月までの間に,当センターで飼養されたバークシャー種の繁殖雌豚30頭,及びそれらから生産された,1,051頭の産子と,交配に供用された種雄豚10 頭の成績をまとめました。繁殖雌豚の最高産次は9産でした。
 調査豚の産地は,表1のとおりでした。

3.生産頭数の成績(表2)

 生産頭数の全平均は,8.5頭でした。種雄豚の生産頭数とは,その個体を交配して生産された子豚の頭数をまとめたものです。
 繁殖雌豚及び種雄豚とも,鹿児島県産が多い傾向でした。なお,繁殖雌豚の産次による差はありませんでした。

4.育成頭数の成績

 繁殖雌豚の育成頭数では,産地間の差を認めず,全体の平均は7.7頭でした。
 なお,9産次の離乳頭数は4.3頭と少なくなっていました。

5.子豚の離乳時体重(表3)

 25日齢に換算した離乳時体重をまとめると,全平均は6.8sでした。種雄豚の離乳時体重とは,その個体を交配して生産された子豚の離乳時体重です。

6.産子検定指数(表4)

 6日本種豚登録協会の規定に基づいて,産子検定指数を計算しました。
 繁殖雌豚及び種雄豚とも,鹿児島県産豚の指数が高い傾向でした。なお,繁殖雌豚の3産次の産子検定指数は初産次より高く,9産次には80以下となっていました。

 平成11年度全国種豚情報によると,バークシャー種の産子検定指数第1位は146.2,50位は117.0,100位は111.8となっています。今回の調査成績を個体別に見ると,最高は124.6,最低は85.7で,おかやま黒豚にも,高能力の個体がいることがわかりました。

7.成績のまとめ

 以上の成績から,「おかやま黒豚」のバークシャー種は,平均で8.5頭を生産し,7.7頭が離乳し,離乳時の子豚の平均体重は6.8s(25日齢換算)ということになります。
 また,繁殖雌豚の育成頭数や育成率は,9産次に低下する傾向が見られたので,供用は8産までとする方が生産効率が向上すると思われた。

8.おわりに

 「おかやま黒豚」飼養農家の方々は,農業改良普及センターや家畜保健衛生所の指導を受けながら,農場の成績をまとめ,この成績と比較検討していただくことによって,繁殖育成成績の良いところや経営の問題点がより明確になってくると思います。
 平成12年2月25日からは,「食肉の表示に関する公正競争規約」によって,黒豚の定義がバークシャー種に限定され,「不当景品類及び不当表示防止法」(通称 景品表示法)により,法的にも黒豚表示が規制されます。流通業界では,純粋バークシャー種の豚肉を確保するための努力が続けられています。
 生産者と関係機関が一体となって,より効率的に「おかやま黒豚」を増産し,ブランド化を推進することが切望されています。

(執筆 中小家畜部養豚科 河原宏一)