ホーム岡山畜産便り > 岡山畜産便り2000年7月号 > 多頭化を目指し除角研修会を開催

〔普及現場からの報告〕

多頭化を目指し除角研修会を開催

真庭農業改良普及センター

はじめに

 真庭管内は古くからの和牛繁殖地帯として有名であり,234戸の農家が肉用牛繁殖牛を1,021頭飼養していますが,1戸当たり飼養規模は4.4頭と小さく,豊富な土地条件を活かした多頭化の推進と低コスト生産により肉用牛経営の安定化を図ることが畜産振興ひいては真庭地域の農業振興の大きな課題といえます。そのための1つの方策として,大規模肉用牛農家が組織する「まにわ和牛研究」の会員が中心となり繁殖雌牛の除角研修会を開催しましたのでその概要を紹介します。

◎ まにわ和牛研究会の概要

 まにわ和牛研究会は真庭地域の肉用牛の先導的な農家で組織されており,現在12名が加入しています。1戸当たり平均飼養頭数は21頭と真庭地域平均の約5倍であり,事務局は真庭農業改良普及センターにあり,毎年,先進地視察の実施や独自の研究調査に取り組むなど積極的に活動を行っています。

◎ 除角への取り組み

 除角の良い点は@突っつきあいによるストレスが減少するA群飼の牛の序列関係が緩やかになるBどの牛も平均してえさを食べるようになるC管理者への危険が少なくなる等があげられます。
 除角は乳用牛では当然のこととして行われていますが,肉用牛ではなかなか普及していないのが現状で,その理由としては2〜3頭飼いの小規模農家が多く労力がないことや,和牛には角があるものという先入観があることなどがあげられます。しかし,多頭化を図るためにはどうしても群飼が必要になり,そうなると除角が重要なポイントとなってきます。近年,九州南部を中心に除角が広まりつつあり,岡山県でも少ないながら実施している農家もあり真庭管内でも3戸の農家が実践していました。
 そこで,まにわ和牛研究会では平成11年度のテーマの1つとして除角の推進をかかげ,平成12年3月に湯原町と勝山町の会員宅牛舎で除角研修会を開催し計73頭の除角を行ないました。その結果,真庭管内では150頭の繁殖雌牛が除角されたことになり,除角後の畜主の感想は「危なくなくなった」「牛がおとなしくなった」等好評であり,今後ともまにわ和牛研究会を中心として除角を推進し,多頭化を図り真庭地域の畜産振興を図っていきたいと思います。