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〔地域情報〕

「有機の郷かよう」を目指した街づくり
〜かようエコセンター完成〜

高梁地方振興局農林水産事業部畜産係

<かようエコセンター>

 賀陽町では,平成8年度より「畜産基盤再編総合対策事業」を実施しており,同事業の地域活性化施設として「かようエコセンター」(堆肥センター)が今年4月末に完成した。
 今回導入した堆肥製造システムの特徴は,家畜排せつ物を水分調整材(オガ等)及び戻し堆肥と加圧混練処理することで,発酵槽における初期発酵環境を良好にし,約2ヶ月程度で堆肥化できるところである。
 当センターでは,日量20トンの家畜排せつ物の処理が可能で,年間約3,600トンの堆肥が製造される計画となっている。
 今年5月から試験操業を行っており,来年からの本格的製造に向けて,現在,水分調整材等の割合に関する試験及び製造コストの算出等を行っている。
 併せて今年に限り,試験製造された堆肥は,町内の各種農家などへサンプル配布を行い,品質の良い堆肥のPR活動も同時に行う計画である。
 当センターの管理運営主体は,町内の農地保全等農業全般の活動に力を入れている級齬z町農業公社が行い,堆肥製造に加えて,町内農地等への堆肥散布活動も行い,資源循環型農業を町をあげて目指している。
 今年度中には,センター内の敷地舗装,道路舗装等を行い「有機の郷かよう」の中心的施設が本格的に稼働を始める。

原料投入
加圧混練機
発酵槽

<「有機の郷かよう」に向けた取り組み状況>

 町内には,有機野菜生産者組織4団体あり,約16haで栽培に取り組んでいる。これら団体は,月1回定期的に倉敷市内デパートで直売を行っている。
 付加価値のある有機無農薬野菜等を販売することで,各種農家への生産意欲を向上させようと「有機の郷かよう」をキャッチフレーズにした「のぼり」が賀陽IC沿いに掲げられている。
 今年中には,賀陽IC近くに「道の駅」が完成する予定で,農産物の直売,牛乳等を使った農畜産物加工品の販売を行い,各種関係機関と連絡調整をしながら「6次産業化」を推進していくこととなっている。

<これからの展望>

 「かようエコセンター」,「道の駅」だけでなく,近隣市町からの交通アクセスの整備が積極的に行われ,岡山自動車道賀陽ICからの吉備高原都市への広域農道の開通により,今まで以上のインフラ整備が積極的に行われて来ている。
 21世紀に向けた「有機の郷かよう」が非常に楽しみである。