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乳酸発酵飼料給与によるふんの脱臭効果について

岡山県総合畜産センター

1 はじめに
 当センターでは,食品製造工程副産物の飼料利用を目的に,各家畜に対する飼料価値,乳酸発酵による保存性の向上等各種試験を行っている。
 この乳酸発酵飼料を家畜に給与した結果,豚ふんの臭気低減効果を認めたもので,その概要を紹介する。

2 飼料の作成
 飼料原料の配合割合及びその成分値は表1に示した。作成行程は,材料搬入→パン屑等粗大材料の粉砕→攪拌混合→袋詰→密封→保存とした。なお,乳酸菌の添加は,乳酸菌添加豆腐粕を使用したため特に行わなかった。また,密封時には掃除機による脱気を行い,腐敗防止に努めた。

3 試験豚及び給与量
 試験豚は肥育後期豚を使用し,給与量については,乳酸発酵飼料区(試験区)では水分を35%に設定したため,市販配合飼料区(対照区)の約1.4倍量を給与した。

4 臭気低減効果
 乳酸発酵飼料給与による新鮮ふん中臭気の推移を表2に示した。
 養豚場特有の臭気は,甘酸っぱい刺激的な臭い,むれた靴下のような臭いと表現されるプロピオン酸,酪酸などの低級脂肪酸系臭気が主体であるが,これら臭気は豚の生理的消化吸収作用に由来すると考えられている。さらに,除ふん,堆肥化処理が不適切な場合は,硫化水素等の硫黄化合物系臭気(腐った卵,タマネギのような臭い)が発生し,臭気は強いものとなる。
 さて,乳酸発酵飼料給与による抑臭効果は,アンモニアについては試験開始後,乳酸発酵飼料区で増加した。しかし,臭気の強い硫化水素,低級脂肪酸は,市販配合飼料区で増加しているのに対し,乳酸発酵飼料区は低く推移し,官能的にもかなり改善され抑臭効果を認めた。
 しかし,この効果発現には,給与飼料中の乳酸菌数が関与しており,良質な乳酸発酵(pH4,乳酸菌数10の7〜9乗/g)が重要なポイントとなる。
 以上のように,良質な乳酸発酵飼料の豚への給与は,腸内での消化吸収,乳酸菌作用等からふん低級脂肪酸臭を低減し,畜舎内臭気改善効果が期待できる。