〔畜産会ニュース〕

社団法人　岡山県畜産会

　社団法人中央畜産会主催の平成12年度全国優良畜産経営管理技術発表会が10月13日に東京虎ノ門の虎ノ門パストラルで開催され，勝田郡奈義町の�給ｦ和養豚黒籔光廣氏が優秀賞（農林水産省畜産局長賞・社団法人中央畜産会長賞）を受賞しました。
　この発表会には，全国から36事例がエントリーし，書類審査により，大家畜部門４事例（酪農１．肉用牛３），中小家畜部門４事例（養豚２．採卵鶏２）が選定され，審査委員による現地調査等が行われ，最終的には当日の発表会で各々最優秀賞，優秀賞が決定されました。
　審査の視点は畜産経営等の生産性・収益性等の経営実績とそれを支える経営管理技術及び特色ある取り組みや活動の内容とその成果で，次の点が重視されました。

１．経営展開上の合理性，堅実性，普及性，持続・安定性
２．地域との融和等に関する合理性，普及性，持続・安定性
３．家畜糞尿処理，環境保全への適正な取り組み

　このたびの発表会の受賞者は次のとおりで，最優秀賞受賞者は来年度の畜産大賞の候補となります。

〔大家畜部門〕
　＊最優秀賞（農林水産大臣賞）
　　（酪　 農） 川名　正幸氏　千葉県館山市
　＊優秀賞（農林水産省畜産局長賞）
　　（肉用牛） 峯野　　 孝氏　静岡県引佐郡
　　 （　 〃　 ） 渕上　吉隆氏　佐賀県杵島郡
　　 （　 〃　 ） 黒木　輝也氏　宮崎県西都市
〔中小家畜部門〕
　＊最優秀賞（農林水産大臣賞）
　　（採卵鶏） 北栄産業��
　　　　　　　　 市村　栄宗氏　石川県羽咋郡　
　＊優秀賞（農林水産省畜産局長賞）
　　（養　 豚） 生越　利男氏　新潟県十日町
　　（養　 豚） �給ｦ和養豚　　黒籔　光廣氏　岡山県勝田郡
　　（採卵鶏） �去O田鶏園　　三田　悌二氏　栃木県足利市

優秀賞受賞の皆さん（黒籔さんは右から２人目）

　今回，優秀賞を受賞した�給ｦ和養豚の黒籔光廣氏は，大阪で就職したのちＵターンして昭和46年に子取り用雌豚10頭による繁殖肥育一貫経営を始め，その後漸次増頭，昭和54年に法人化し�給ｦ和養豚を設立，現在は子取り用雌豚225頭（ＬＷ150頭，バークシャー種75頭）による一貫経営と地域の子取り養豚農家との肉用子豚の直接取引による地域内養豚繁殖肥育一貫経営のリーダーとして活躍しています。
　評価された成果は，経営の堅実性，安定性はもとより�@養豚をはじめ肉用牛等で地域畜産の活性化にリーダーとして活躍している。�A規模拡大によるスケールメリットを追求する路線から高品質化への転換を図るため「おかやま黒豚」銘柄化促進に向けた取り組みを実践している。�B地域家畜糞尿処理施設「奈義有機センター」設立等へ尽力し地域畜産の振興に貢献している。�Cふれあい施設「風の村」（馬，ダチョウの飼育，鶏の放し飼い，ハーブ園の整備等を行い自由に出入りできる）を設立し，畜産に対する住民等の理解を深め，畜産業，就中養豚のイメージアップに努力するなど，特色ある取り組みにあると思われます。
　なお，大家畜部門で最優秀賞を受賞した千葉県の川名正幸氏（酪農）は房総半島の最南端の飼料作付けに条件の悪い地域で借地を中心に20ヘクタールの粗飼料生産を行い，規模拡大によるスケールメリットを追求するとともに，積極的な牛郡改良により年間乳量12,000�s／頭と千葉県１位の成績を上げ，更には自家産牛で府県最高乳量17,000�s（２頭）を樹立，また，パソコン記帳に基づく計数管理，完熟堆肥の耕種農家への供給等が評価されました。
　中小家畜部門で最優秀賞の石川県�許k栄産業（採卵鶏）はウィンドレス鶏舎で徹底した衛生管理と高位生産を実践し高所得を上げていること等が評価されました。
　今回の発表を拝聴していずれの事例も経営者の創意工夫と実行力で安定した経営を行うとともに地域のリーダー的存在として活躍されている方々であることを痛感した次第であります。