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〔地域情報〕

リフレッシュした建部ヨーグルト
〜地域の観光と連携して新たなるスタート〜

岡山地方振興局農林水産事業部畜産係

 建部ヨーグルトが今,生まれ変わろうとしている。その取り組みの内容と生産者の意気込みを紹介したい。
 建部ヨーグルトが生まれて12年になる。今でこそ6次産業化が普通に語られるようになったが,建部ヨーグルトはそのはしり的存在と言っていいのではないだろうか。
 昭和63年に酪農家11戸(現在13戸)で旧囎白ャ乳製品生産組合を設立し,ホクラク建部事業所に隣接して加工場を整備し,生乳100%ヨーグルトとして製造及び販売を始めた。自分たちの生産した乳をなるべく自然な形で提供したい気持ちから,あえて低温殺菌,ノンホモで無糖とし,町内外で一定のファンもつかみ,生産を続けてきた。
 しかし,近年は景気の低迷や類似商品の出現から売上が伸び悩んできたのが現実である。また平成10年には予期せぬ台風10号による浸水被害を受けて,必然的に組合員の中に将来への不安がつのり経営中止の強い意見が出された。
 しかし,組合と建部町等が経営について真剣に論議した結果,従来のハードタイプヨーグルトをベースにドリンクヨーグルト,ヨーグルト添加ソフトクリームの新製品を開発して事業を拡大展開する方向で意見が一致し,経営存続することとなった。
 まず,平成11年度に約1年をかけ,新商品の試作に取り組み,専門業者に委託しパッケージのデザイン設計を行った。
 さらに,既存施設では新商品を製造するスペースが確保できないことから,加工場・直売所をH12畜産基盤再編総合整備事業で現在,移転新築整備中である。

“ホルスタイン柄で新登場”

 新施設は,建部町の八幡温泉郷及び周辺整備計画に基づき,町のメイン観光地である「八幡温泉郷」の中に,レクリエーション施設の目玉である淡水魚博物館の「めだかの学校」や「おもちゃの館」(移転新築)とともにトータル的に整備される。完成すれば,今まで点在していた観光スポットが集積される形となり,その相乗効果で集客アップが期待されている。淡水魚とおもちゃで遊び,温泉で癒し,乳製品でお腹を膨らませてもらおうというのだ。
 加工施設の外壁には木材を使用し,牧歌的な外観とし,内部は衛生上の安全性を確保するために,処理加工室の前後に前室を設けたり,原材料や製品の品質を検査するための検査室を設けている。
 さらに,消費者や観光客に酪農や乳製品の理解を深めてもらうために,加工処理室の窓をガラス貼りとし,加工風景や工程がわかるようにしたり,酪農パネル展示コーナーを設けている。小中学生等の団体見学も受け入れる予定である。
 酪農経営が厳しくないと言ったら嘘になる。その上,乳製品生産組合の経営は労力面,資金面とも農家の負担は大きい。それでも,「自分たちの生産した乳を加工して,直接消費者に提供し,消費者に喜んでもらい経営改善に結びつけたい。」,また,「酪農をアピールすることで地域の活性化に貢献したい。」という酪農家の心意気に大きなエールを送るとともに,頑固にこだわる生乳100%ヨーグルトのさらなる発展を期待したい。

【参   考】
 本年6月末に雪印乳業食中毒事件が発生したことは周知の通りであるが,牛乳消費への影響が懸念されるなか,岡山局ではその後の牛乳に対する消費者の意向を調査するため,11月に開催された「フォーラムフェスタ2000 in おかやま」岡山県一村一品おかやま村来場者に対し,牛乳消費ミニアンケートを実施したので概要を紹介する。
(1) 回答者
  

(2) 年齢層
  

(3) 概 要
 @ 牛乳を毎日飲んでいる人は全体の72%で,毎日飲んでいる人の中でも,今後,牛乳購入量を増やす意向の人は27%いたが,その80%は20〜40代の女性であった。また,全体では24%の人が増やす意向を示しており,安全な生乳の生産により一層取り組み,信頼性の回復が急務である。
 A 飲用乳に「牛乳」「部分脱脂乳」「加工乳」「乳飲料」の4種類があることの認知度は72%で認知レベルは高く,選別購入していることから,商品内容の明確な情報提供が必要と考えられた。
 B 牛乳価格は全体の72%が妥当としているが,女性の80%が適当と回答しているのに対し,男性においてもう少し安くしてほしいという回答がやや多く見られた。このことから,今後は男性に対する牛乳消費PR及び生産現場の体験誘導が必要と考えられた。