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平成12年度岡山県自給飼料調製技術共励会開催
最優秀賞 サイレージの部 ─ 中村泰広氏 乾草の部 ─ 岡田研吾氏

社団法人 岡山県畜産会

 自給飼料の調製技術の向上と普及を目的として,県下の酪農及び肉用牛農家を対象に平成12年度岡山県自給飼料調製技術共励会を開催し,昨年の12月11日にテクノサポート岡山において褒賞授与式を行いました。
 サイレージの部の最優秀賞は中村泰広氏(久米町)で農林水産大臣賞並びに岡山県知事賞と草地協会・酪農振興協議会・共励会の賞品が贈られました。乾草の部の最優秀賞は岡田研吾氏(岡山市)で農林水産省中国四国農政局長賞並びに岡山県知事賞状と草地協会・酪農振興協議会・共励会の賞品が贈られました。なお,優秀賞並びに優良賞は別表のとおりであり,優秀賞には岡山県農林水産部長賞と共励会賞品,優良賞には共励会長賞と共励会賞品が贈られました。
 出品点数はサイレージの部においてイタリアンライグラスが24点,スーダングラス及びスーダン型ソルガムが16点,乾草の部ではイタリアンライグラスが15点,合計55点でありました。
 審査の採点は,サイレージについては,栄養価(DCP(可消化粗蛋白質),TDN(可消化養分総量)),サイレージ発酵品質(有機酸組成)に各100点を配点,VBN/T−N(全窒素中に占める揮発性塩基態窒素の割合)に50点,技術審査(水分,刈取時期,品質)に75点を配点し,合計325点満点としました。乾草については,栄養価(DCP,TDN)及び技術審査(刈取時期,茎の細太,硬軟,異物混入率,緑葉割合,緑度,臭気)に各100点を配点し,合計200点としました。
 技術審査は,イタリアンライグラスについては8月23日,スーダングラス及びスーダングラス型ソルガムについては10月19日に岡山県総合畜産センターで行いました。
 分析は,有機酸組成,VBN−Nを岡山県総合畜産センターにおいて,飼料一般6成分を岡山県家畜病性鑑定所において行いました。
 審査報告では「全般的にサイレージ及び乾草の調製技術は向上し良質の製品が出品されていましたが,スーダングラス及びスーダン型ソルガムにやや採点の低いものがありましたので今後は収穫時期及び水分調節に留意してもらいたい」と講評がありました。
 各部門の採点平均値についてみますと,イタリアンライグラスサイレージは有機酸組成77.8点(100点満点),栄養価72.9点(100点満点),VBN/T−N36.6点(50点満点),技術審査59.0点(75点満点),総点では249.3点(325点満点)でありました。スーダングラス・スーダン型ソルガムは有機酸組成77.7点(100点満点),栄養価50.0点(100点満点),VBN/T−N36.9(50点満点),技術審査60.6点(75点満点),総点では225.1点(325点満点)でありました。イタリアンライグラス乾草は栄養価62.0点(100点満点),技術審査76.7点(100点満点),総点では138.7点(200点満点)でありました。
 なお,褒賞授与式とあわせて畜産セミナーを開催し,自給飼料増産対策関係の情報紹介や講演会を行いました。
 講演会では全国農業協同組合連合会畜産生産部の千葉寿夫技術主管が「良質粗飼料の低コスト生産と効率的利用技術」と題して稲ホールクロップサイレージの生産と利用技術など最近の新技術について話されました。また,岡山県農林水産部畜産課の滝本英二技師から「自給飼料増産対策の推進について」,岡山県総合畜産センター飼料環境部の串田晴彦技師から「優良品種の利用により自給飼料増産を」,岡山県農業総合センター総合調整部の佐藤和久専門技術主幹から「粗飼料中のカリウム簡易測定法について」技術情報の紹介がありました。