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〔地域情報〕

残雪を楽しむなら今が最適!
(ひるぜんジャージーランド)

真庭地方振興局 畜産係

 ジャイアントミンチ,ディスチャージミキサー,ボールカッター・・・さて,それぞれ何の機械がご存じでしょうか?
 蒜山高原の名産ジャージー牛乳やヨーグルトは皆さん飲まれたことがあるでしょう。しかし,ジャージーの肉が実はとってもおいしいことをご存じでしたか?
 ジャージー牛は,体格が小さく増体率が低いため肥育期間が長くなります。また,肉色が濃赤色で,脂肪が黄色っぽいことなどから,市場での有利性は必ずしも高いものではありません。しかし,栄養的に見れば鉄分が豊富であり(肉色が濃いのはその為です),脂肪部分にはβ−カロチンが多く含まれております。味の方も,脂肪自体に軟らかみとともに甘みがあって,食べたみた人からは”こんなにおいしかったの?”と評判です。ジャージー牛肉は身体に優しい牛肉であるとともに,とてもおいしいのです。
 先出の機械は,特に市場評価の得にくいジャージーの老廃牛の肉を,いろいろな肉製品に加工して付加価値を付ける事を目的として,昨年度,畜産再編総合対策事業で蒜山酪農のジャージーランドの工場に整備した肉加工用機械なのです。
 今回の施設整備により,新しく7種類の肉製品を開発し,ジャージーランドで生産販売を始めました。
 消費者の間で健康や安全性への意識が高まる中,同農協では,特に添加剤(発色剤,リン酸塩,酸化防止剤等)を使わずにジャージー牛肉本来の味を引き出すことを第一に考えました。
 牛肉ハム(無添加昆布漬け)はしっとりとした食感に仕上がっており,ビーフソーセージは牛肉100%にこだわりました。各製品には天然塩を利用するなど,目に触れない部分でも様々な工夫が施されており,ひと味違ったおいしさを生み出しています。これら商品については,現在でも改良の研究が進められており,試行錯誤を繰り返しながら,安全性を保持しつつ更なるおいしさを追求しているところです。
 最近では特に,自然嗜好の消費者からの需要が高く,リターン客も増えつつあり,これらの製品の良さが認識され始めたようです。
 こうした取り組みにより,同農協の肉加工品の販売量は前年を上回り,今後,ジャージー飼養農家の収益性の向上,経営の安定,ひいてはジャージー頭数の増加につながることを願っています。
 乳部門においては,平成12年度より畜産基盤再編総合整備事業(国庫事業)に取り組み,現生乳処理施設の更新整備に着手しています。平成15年完成をめどにしていますが,HACCPにも対応した近代的,衛生的施設とし,付加価値の高い乳製品の安定的生産体制の確率を図ります。更に,同事業では,蒜山地域での草地整備にも取り組んでおり,ジャージー牛飼養農家においては,平成13年度2戸の牛舎整備を予定しています。このように,生産から流通までの基盤及び施設整備を行い,後継者を育成しながら地域の酪農振興,ひいては蒜山地域の観光資源としても位置づけ,地域全体の活性化を図って行く予定です。
 夏の蒜山も人気がありますが,この季節,ジャージーランドで”静かに残雪を見ながら食事”というのはいかがでしょうか?

デ ー タ
ジャージー乳・肉専門レストラン
ひるぜんジャージーランド
岡山県真庭郡八束村中福田956-222
TEL0867-66-7011 営業時間AM9:00〜PM5:00
(土曜,連休及び7月8月は時間延長)

新しくパンフレットも作成 ジャージー牛肉100%のソーセージ
レストランからの蒜山三座が美しい