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〔地域情報〕

資源循環型の畜産を目指して

井笠地方振興局 畜産係

 「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」の施行により,畜産経営が生き残るためには,この法律に準拠した施設の整備が急務となりました。
 井笠地方振興局農業振興課では,今年度,資源リサイクル畜産環境整備事業計画策定事業により,堆肥センターの建設及び管理運営並びに堆肥の有効利用等について学ぶべく,他県先進地の事例を視察調査しました。
 以下そのレポートを紹介します。
 I県の中央部に位置するK干拓地では,干拓地内の農事組合法人が出資する株式会社が,堆肥の生産から販売までを行っています。施設の概況については表のとおりで,家畜の糞尿処理施設としては国内最大規模の施設です。
 ここの目玉は,ゴルフ場での利用に適した,直径3oのペレットです。この「3o」という数字は,施肥後の降雨でも堆肥が流されず,ゴルファーのシューズにもこびりつかないという絶妙なサイズであり,利用者側のニーズを見事にとらえた商品といえます。
 しかし,このせっかくの見事な商品も不測の事態により製造が滞っています。
 まず,酪農家から運び込まれる糞尿中に,設計当初には想定されていなかった,大量の飼料残さやおが粉が入ってきたことから,施設の処理能力が追いつかず,ついにはポンプが故障。オープンからわずか3日で受入をストップせざるを得ない状況に追い込まれました。その後の農家指導も功を奏していないのが実状だそうです。
 また,良質のバラ堆肥はできても,ペレット化に必要な水分含量30〜32%の堆肥ができないことも明らかになりました。そのため,急きょ,鹿児島市(!!)から高温菌の一種であるYM菌で処理された公共用水汚泥を購入し,水分調整材・発酵促進剤として使用しています。このため,当初よりも生産コストが増加し,販売価格の引き上げにつながっています。
 優良事例と言われているところであっても,製造から販売まで全てがうまくいっているところは少ないものです。いくら立派な施設を作っても,施設を適切に利用・管理できる人間を育てなければならないことを実感した先進地視察でした。