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岡山県産ブロイラー生産成績の現状

岡山県総合畜産センター 中小家畜部 
研究員  森 尚之

 岡山県産ブロイラーの生産成績の現状を把握するため,岡山県養鶏協会が主催した岡山県ブロイラー共励会(1991〜2000)の出品成績を用いて,出荷生体重,出荷日齢,出荷率,飼料要求率及び生産指数について分析をおこないました。
 その結果,@出荷日齢は,1991年の57.8日から2000年の53.8日までに4.0日と有意に(p<0.01)短縮していました。A出荷生体重は,各年度とも2,980g前後で推移しており,1991年3,021gと2000年2,983gの間には有意差が認められませんでした。B出荷率は,各年度とも96.5%前後で推移しており,1991年96.1%と2000年96.8%の間には有意差が認められませんでした。C飼料要求率は,1991年の2.21から2000年の2.04までに0.17有意に(p<0.01)向上が認められました。D各年度の生産指数の平均値及び標準偏差を図1に示しました。生産指数は,1991年の229.4から2000年の262.9までの間に、33.5の有意(p<0.01)な向上が認められました。図2には,2000年の出荷日齢と出荷生体重の比較を示しました。2000年は,1991年より相関係数の高い回帰式となり,回帰係数が85.61と大きくなっていることから,ブロイラーの増体速度が改良により飛躍的に向上していると考えられました。
 以上のことから,ブロイラーの育種改良が進み増体速度が飛躍的に向上している中で,食鳥処理場での受け入れ体重がほぼ一定であるために,出荷日齢が短縮されていると考えられます。また,出荷生体重及び出荷率に変化を認めませんでしたが,出荷日齢の短縮及び飼料要求率の改善により,生産指数の大幅な向上が認められました。

* 出荷日齢  = 出荷月日−餌付け月日(餌付け日を0日として起算する)
  出荷生体重 = 出荷総体重÷出荷羽数
  出荷率   = 出荷羽数÷餌付け羽数
  飼料要求率 = 飼料摂取量÷出荷総体重
  生産指数(production score)=(出荷率×出荷生体重)÷(出荷日齢×飼料要求率)×100