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表紙の言葉

 吉川八幡宮の当番祭と称される当番行事は全国的にも珍しい行事である。祭りは昔から10月1日の当指し行事に始まり1ヶ月に渡る全国的にも珍しい長期の祭りであるが,社会情勢の変化に伴い,平成2年から大祭日を10月第4日曜日とした。
 当番祭とは「訪問する最初の祭り」と言う意味であり,2社以上の八幡宮の氏子が互いに訪問し合い,氏子の繁栄と豊穣を神に祈り,国族の親睦と絆を深める祭りである。当指し(当番を協議する)によって10歳前後の男児2人を当番(当人)として決定し,当人は垢離取り(心を守る)という神事によって俗人から神人になったものとして丁重に扱われ,祭りの主役をつとめる。
 いよいよ祭りの当日,当番行列一行はそれぞれ飾り立てて大勢の見送りのもと,乗馬姿の当番様(当人)を守りながら八幡宮に参し,まず仮屋打ちの施設に落ち着いて多くの参拝者から祝福を受ける。
 やがて神事が始まりいろいろな行事が行われ,いよいよ祭りのクライマックスとなる。
 決められた行列順序により,神馬を先頭に幡,当番一行,大鼓笛,獅子,神官,お神輿等々氏子総出の行列が盛大に繰り広げられ,御神輿の最後は当番(当人)の走り競り比べがある。