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新春のごあいさつ

社団法人岡山県畜産会会長 池田 隆政

 新年あけましておめでとうございます。
 皆さま方には,さわやかな新春をお迎えのことと存じます。
 さて,昨年を振り返ってみますと,大きな事件の多かった年でした。何といって私達を震撼させたのは,ニューヨークでおこった悲惨な世界貿易センタービルの撃破です。引き続くアフガニスタン紛争とテロの脅威は世界中の混迷をまねき,景気の後退に加速をもたらしました。
 国内においては,畜産界のみならず食肉の流通までも,根底から揺るがした BSE(牛海綿状脳症)が発生したことです。英国を発端に,欧州での発生から,飼料原料としての肉骨粉輸入禁止措置などの対策にもかかわらず,予想に反し,BSE 汚染国となってしまいました。
 9月発生の第1報から,今日まで,これほどまで尾を引き,畜産界ならびに関係業界,更には消費者に大きな混乱を与えるとは予測もつきませんでした。国際化の中で,輸入飼料に依存した経営規模拡大が,先の口蹄疫と今回の BSE 発生を招いたものと考えております。
 この危機を契機に,食料生産者としての使命感を常に念頭におき,土地と結びついた環境にやさしい循環型農業を目指して,今一度,原点に戻って考え,実行し,国民から信頼される生産者となることが,やがて,わが国において畜産経営が真に根付くものと固く信じております。
 現在,検査体制が整い安全な食肉が流通しておりますが,全国民が店頭で安心して買うことのできる,安全な畜産物生産と流通に関係機関挙げて取り組まなければならないと考えます。
 私ども畜産会といたしましても,刻々変化する畜産情勢に真正面から取り組み,畜産経営者は勿論,中央ならびに地域の関係機関とも連携を密にして,経営改善支援,環境保全対策等総合的に対応できる機関として,本県の畜産発展に貢献してまいる所存でございます。これまで以上の御支援,御協力をいただきますようお願い申し上げます。
 また,本年9月に岐阜県において開催される「第8回全国和牛能力共進会」にむけて,本会と致しましても積極的に協力してまいりたいと考えております。
 最後になりますが,日本中に明るさを与えた,皆が待ち望んだ,皇太子妃雅子さまのご出産と内親王,敬宮愛子さまのご誕生は一年をしめくくるにふさわしい,明るいニュースをもたらしてくださいました。皆様ともども,愛子さまの健やかな御成長を心から願うものであります。
 午年を迎え,本年が飛躍の年となり,経済活動が活発化し,消費回復により,2002年が幸せな年となることを期待するとともに畜産関係者にとって,輝かしい年となりますようご祈念して,私のごあいさつといたします。