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豚肥育場における胸膜肺炎とマイコプラズマ肺炎対策

井笠家畜保健衛生所 澤田 勝志

 豚胸膜肺炎(App)とマイコプラズマ肺炎(MPS)は大部分の肥育場に存在し,大きな経済的損害を及ぼします。対策としてワクチンがあります。昨年,両肺炎が問題となっている肥育場で,App ワクチンと MPS ワクチンのどちらがより有効か,両ワクチンを併用することでより効果が認められるかについて検討したので試験結果を報告します。
 試験は,(1)ワクチン未接種群(未接種群),(2)胸膜肺炎ワクチン接種群(App 群),(3)マイコプラズマ肺炎ワクチン接種群(MPS群),f両ワクチン併用群(併用群)の4群で(各群9−11頭),ワクチン接種は生後5週齢と9週齢で実施しました。

<結果>

(1) 出荷前体重(下図)

 137日齢における平均体重は,併用群が最も大きく,未接種群が最も低いという結果でした。未接種群では2頭の発育不良豚が認められ,成長にばらつきがあることがわかります。

(2) と畜検査成績と格付け

 App 群,MPS 群及び併用群は全頭が「並」以上に格付けされました。しかしながら,未接種群では3頭がと畜検査によりそれぞれ,等級外,全廃棄,出荷不適となりました。未接種群の残り8頭は「並」以上に格付けされました。

(3) 出荷成績(下表)

 各項目とも,併用群が最も良好な成績を示しました。1頭当たりの利益は,ワクチン費用及び出荷の遅れにより発生する飼料代を減じて算出していますが,併用群が最高,未接種群が最低であり,App とMPS ワクチンをそれぞれ単独接種した群では同程度でした。

<まとめ>

 以上の結果より,試験を実施した農場では,App ワクチンと MPS ワクチンは同程度の生産性改善効果を有し,併用することにより有効性が高まると考えられました。肥育場における胸膜肺炎とマイコプラズマ肺炎対策として,両ワクチン併用は有効であると考えられます。これらのワクチンに興味を持たれた場合は,お近くの家畜保健衛生所養豚担当までご連絡下さい。