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〔地域情報〕

牛肉消費の回復を願って

井笠地方振興局畜産係

1.牛肉安全啓発活動を実施!

 昨年10月18日の全頭検査の開始以降,検査に合格した安全な牛肉だけが市場に出回るシステムが確立されました。しかしながら,消費者の牛肉離れは,年がかわった現在でも続いています。
 井笠地方振興局では,消費者のみなさんに安心して岡山県産牛肉を食べてもらうため,「県では牛海綿状脳症の全頭検査を行い,検査に合格した牛のみが食肉として出荷されていること」や「県内の農家では,牛のエサに肉骨粉は使用していないこと」など県産牛肉の安全性をPRするため,笠岡市と農業改良普及センターの協力を得て1月15日の早朝からJR笠岡駅を利用する通勤・通学客に約2,000個の『もう安心です!岡山県産牛肉!ティッシュ』を配布しました。(表紙写真&写真1)

写真1:当日配布した『もう安心です!
    岡山県産牛肉!ティッシュ』。

 今回,我々が行った活動は,牛肉消費の回復に向けた地味なものではありますが,各種メディアを通じて行われている広報宣伝活動や「おかやま牛肉安全フェア」等の大きなイベントとの相乗効果で,井笠地域での牛肉消費が一日も早く回復することを願ってやみません。

2.耳標の一斉装着始まる!

  井笠地方振興局管内では,平成13年8月1日現在で,73戸の酪農家と56戸の肉用牛農家が約7,900頭の牛を飼養しています。県内では1月21日から始まった耳標の一斉装着作業。当管内では1月31日に笠岡湾干拓地からスタートしました。(写真2&3)

写真2:1頭1頭確認しながら,耳標を
うっていく関係者。
写真3:生まれたての子牛にもバチン。

 両耳に新しい耳標を付けられた牛たちは,大きな耳標が気になるのか,しきりに頭をふったり,柱に頭をこすりつけたりしていました。何も悪いことをしていない牛たちには申し訳ない気もしますが,この耳標が家畜伝染病発生時の迅速な対応を可能にさせ,また,消費者に正確な生産状況を伝えることで牛肉への安全意識の高揚に役立つものと確信しています。
 農家の方からは,「生産者にばかり面倒なことを押しつけて,これで価格が戻らなかったら誰が責任を取るのか!」とか「耳標を付けたからといって,伝染病にかからなくなるわけではない」という厳しい意見や,「耳標よりもまずは所得補償を!」といった切実な意見も聞かれましたが,「これが消費者への信頼回復につながれば」という期待の声も多く聞かれました。
 こうした生産者の期待を裏切らないシステムを作っていくためにも,振興局畜産係としては,一斉装着後の出生・異動報告が正確かつ円滑に行われるよう,関係機関と協力してフォローアップを行っていきたいと考えています。
 まずは,生産者と関係機関が一丸となって,今年度末までの100%装着を目指します!