ホーム岡山畜産便り > 岡山畜産便り2002年4月号 > 家畜診療日誌

〔共済連便り〕

家畜診療日誌

勝英家畜診療所 西崎 完治

 昨年の秋より臭〜いカメ虫が多く,今年の冬は寒く雪も降るかもと話をしていたところ暖冬で積雪もほとんど無く,三月に入って暖かい日が続き診療所の桜もポツポツと咲き例年になくもう開花宣言,暖かくなって住み易いようにみえますが咲いた花の色は例年のほうが綺麗でやはり寒いときは寒く,暑い時は暑いほうが花にも,生き物にもいいようです。
 生き物にとって生活環境に左右されるものが多く,人の場合基本は衣食住といわれていますが,牛においても最近生産性を向上させる方法として快適性(カウコンフォート)がいわれています。ご存じのように牛床,換気,繋留,飼槽,給水を良くする事により生産性が向上し当然,病気,死亡廃用事故も減少が考えられます。診療所管内の飼養形態特に牛舎構造を見ますと対ストール,フリーストール,フリーバーンであり,自動給餌機も多く導入されています。
 管内の事故の状況は病気では多い順に生殖器,泌乳器,消化器,産前産後,運動器疾患が上位となっています。死亡廃用事故では関節炎,産前産後起立不能,乳房炎,心不全,肝炎,第四胃変位が上位となっています。廃用事故で多い関節炎を含めた運動器疾患を牛舎構造別に発生状況を見ると対ストールでは関節炎(関節周囲炎を含む)が圧倒的に多く,特にフリーストール,フリーバーンの1年間を比較しますと,フリーストールでは総診療件数883件で蹄病件数236件,約26.7%,フリーバーンでは総診療件数538件で蹄病件数43件,約8%の発生でした。飼養頭数には差はありますが蹄病の発生割合において大差が認められました。
 病名別発生割合(%)を比較しますと下記のとおりです。

 以上の結果となっており,全農家とも削蹄は年一回は実施しております。餌の給与法等飼養状況等もありますが,牛床の状態(乾燥,オガ,戻し堆肥等の量)に左右される場合が大きく病気の発生頻度,病名等も違っています。また蹄病のうち伝染性の疣状皮膚炎においては典型的な形は少なくなっていますが形を変えて感染しているものも認められます。このように環境により病気の発生も違い,また蹄病ではありませんが死亡廃用事故につながる急性乳房炎のうちオガに由来するものもありますが,オガの種類によっては発生が少なくないといわれています。飼養管理,牛舎環境の快適性を良くし生産性を向上させ,また病気,死亡廃用事故を減らしていただきたいと思います。