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昨年9月のBSE発生は,我が国の畜産経営,特に肉用牛経営に大きな打撃を与え,経営継続の危機に陥りました。この状況に対応し各関連対策が講じられたところですが,ここでは,肉用牛肥育経営対策についての概要をお知らせします。(肉用子牛経営対策については前号を参考に願います。)
生産者,県及び国が基金を造成し(造成比率;1/8,1/8,3/4),肥育牛1頭当たりの所得が家族労働費を下回った場合に基金から差額の8割を補てんする。(13年度中は四半期毎の交付,14年度から毎月交付)
BSE対応肉用牛肥育経営特別対策事業(BSEマル緊)
肥育牛1頭当たりの粗収益が,家族労働費を除いた生産費(物財費相当)を下回った場合に,その差額を国が補てんする。(毎月交付)
枝肉価格の大幅な低落に伴い,表に示すとおり2つの事業により多額の補てん金が交付されてきたところですが,本年4月以降,価格は回復基調となり,需要期の7月になってからは,BSE発生前の価格にほぼ戻ってきております。今回のBSEは肉用牛経営に大きな打撃を与えましたが,各価格安定対策により被害を最小限に食い止めることができたものと考えております。BSEマル緊は今年度で終了しますが,マル緊は継続します。各価格安定制度の重要性を再認識し,「のど元すぎれば熱さ忘れる」ではなく,「備えあれば憂いなし」を基本に,日和見加入することなくマル緊及び肉用子牛生産者補給金制度への全戸・全頭の加入をお願いします。
BSE発生から1年を迎えようとしていますが,牛肉価格は概ね前年並みにまで回復しました。しかし,食品の偽装表示の多発もあり,「安全・安心」が食に対するキーワードとして大きくクローズアップされています。BSEに関しては万全の検査体制が整い,安全が確保された現在,「農場から食卓まで」生産情報を届けるトレーサビリティシステムの構築がポストBSE対策として緊急の課題とされています。本県でも,このシステムの構築に向け,関係者一丸となって取り組んで参りたいと考えております。