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〔衛指協便り〕

生乳格付検査の状況について

岡山県家畜畜産物衛生指導協会    
生乳検査センター(TEL0868−54−7366)

 平成12年3月から鏡野町に建設された新しい検査センターで業務を実施しております。検査項目は,成分的検査としての生乳格付検査,分配検査,牛群検定及び指導検査と衛生的検査としての細菌検査と体細胞数検査です。
 今回はこれらの検査の中で生乳格付検査について説明します。岡山県下で生産された生乳の成分検査(脂肪,蛋白質,乳糖,無脂固形分等)をおこない,生乳の公正かつ円滑な取引と品質向上に努めております。平成13年度総検査乳量は130,769トンで,前年度に比較して93.8%になっており,格付検査件数は6,195件です。13年度における成分検査(年度平均)の結果をみてみますと,脂肪は3.96%(前年度3.93%),蛋白質は3.28%(前年度3.26%),乳糖4.45%(前度4.45%),無脂固形分8.73%(前年度8.71%),全固形分12.69%(前年度12.63%)となっています。乳糖率を除き年度平均では前年度を上回る結果でした。

 次に,年度別月別の脂肪率の推移をみてみると,13年度は12月から2月に最高値を示し以降低下傾向を示しています。最低値は8月の3.81%でした。平成13年度の最高値と最低値の差は0.3%であり前年度の差0.34%よりやや小さくなっており,前年度に比較して高めの値で推移したことがうかがえます。

 平成11年度から13年度までの脂肪率の度数分布をまとめてみました。11年度は3.50〜3.69%のものが10.9%,3.70〜4.09%のものが80.3%を占め,4.1%以上が8.2%でした。12年度になると,3.50〜3.69%のものと4.1%以上のものが減少して3.70〜3.89%のものが85.8%を占めています。13年度は3.70〜3.89%のものが40.3%,3.90〜4.09%のものが39.1%,4.10%以上のものが11.7%となっています。4.10%以上の占める割合が前年度より5.3%も増え,高脂肪乳の生産がかなり増加したことがうかがわれます。

 年度別月別の無脂乳固形分率の推移についてみると,13年度は11,12月で8.85%と最高値となり以降低下傾向を示しています。最低値は7月で8.60%になっています。特に11,12月の値は際だって高い値となっています。逆に,1月から下降し前年度を下回っています。

 平成11年度から〜13年度までの無脂乳固形分率の度数分布をまとめてみました。3年間をとして,8.50%〜8.89%のものが,おおむね90%前後を占めており度数分布に大きな変化はみられません。

 年度別月別の蛋白質率の推移についてみてみると,13年度は11月から1月に高い値(3.39〜3.37%)を示し以降低下の傾向を示しています。最低値は7月の3.16%で,前年度と大きな変化はありません。
 乳糖率は年間をとおして,4.43〜4.47%で推移しています。全固形分率については,前年度よりやや高い値で推移しています。
 以上生乳格付検査の概要を説明しました。生乳検査センターとしては,今後とも検査機器の精度管理に努め公正かつ迅速な検査を行ってきますので,関係機関ならびに酪農家の皆様には一層の良質乳生産に努力されることを期待します。