ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2002年10月号 > 特集 卵黄色について

〔特集〕

卵黄色について

岡山県総合畜産センター環境家畜部  松馬 定子

 鶏卵の卵黄色は,濃淡により消費者が目で見てわかる要素であり,「卵黄色は濃い方が外観的に美しく,栄養価も高そうである」というイメージが一般的である。このため卵黄色は鶏卵生産現場において卵質改良の重要なポイントとされている。

1 卵黄色の成分

 卵黄色は,主に黄色と赤色のバランスにより総合的に判断される。卵黄は,卵の中で最も色素に富んだ部位であるが,それでも色素含量は卵黄1個に約0.4rとわずかしかない。卵黄色素の大部分は,カロチノイド系の脂溶性色素であり,ほかに水溶性色素としてリポフラビンがある。卵黄の色を作り出すカロチノイドは,鶏の体内では合成されないため,主に飼料に由来する。すなわちカロチノイドは,飼料中の植物葉緑体に存在する赤色,オレンジ色及び黄色の色素であり,分子内に共役2重結合を持った長鎖化合物として存在する。そして,カロチノイドはキサントフィル類とカロチン類に分類され(図1),卵黄内での比率は,カロチン類を1とすると,キサントフィル類は約10倍存在する。
 したがって,鶏の健康状態,個体差,日齢などの影響を考慮した上で,望ましい卵黄色を得ようとすれば,十分なキサントフィル量が含まれていなければならない。

図1 卵黄に含まれるカロチノイド類
図1 卵黄に含まれるカロチノイド類

2 卵黄色に影響する飼料

 卵黄色を改善する飼料としては,天然素材をそのまま与える天然色素と,天然色素がより効率よく吸収されるよう合成した合成色素がある。また,これらの色素は黄色系と赤色系の2種に大別される(表1)。黄色系,赤色系とはいうものの厳密にはどちらか一方の色ではなく,両者の色バランスで黄色系あるいは赤色系がより強く現れる。

表1 卵黄色に影響する飼料
表1 卵黄色に影響する飼料

3 色素とカラーファンbノついて

 卵黄色は,通常ロッシェのカラーファン(卵黄色見本カード)を用いて判定される。近年,卵質検査機器の発達により,機械で測定されることも多いが,色判定の基本はロッシェのカラーファンである。また,より精度の高い色判別を行うためには,色差計により分析を行う。カラーファン9.5程度までは,黄色系色素の影響を強く受け,10以上の場合は,赤色系色素の影響を受けやすい。つまり黄色系色素含有量を一定にした場合,赤色系色素含有量の多い方がカラーファンの値は高い。また,赤色系色素を一定にした場合は,黄色系色素含有量が少ない方がカラーファンの値は高くなる。最近の市販配合飼料は,この点をふまえて配合されており目的に応じた卵黄色を出すことが可能である。

4 県内の卵黄色の傾向について

 岡山県養鶏協会では,岡山県産鶏卵の品質を改善し,市場の評価を高め,販路拡大を図ることを目的として,毎年,卵質改善共励会を開催している。平成元〜13年度までの卵質改善共励会での卵黄色の平均値を表2に示した。昨年度の卵黄色の平均はカラーファン10.5であり,年々,卵黄色の濃いもの(ややオレンジ色かかった黄色)が増加している。

表2 県内の卵黄色の推移
表2 県内の卵黄色の推移

5 岡山県総合畜産センターの試験研究について

 「食品リサイクル法」が平成14年5月より施行され,食品副産物の利用促進につながる新技術の開発が望まれている。総合畜産センターでは,平成14年度から食品製造業より産出される副産物中の機能性成分に着目し,食品副産物を飼料化する試験を行っている。卵質関係では,紅花の花弁に水溶性の黄色色素及び水不溶性の赤色色素が含まれており,紅花かすは現在使用されているパプリカと同様に使用できる可能性が高いことから,紅花の黄色色素抽出かすを飼料に添加して卵黄色の改善を目指している。