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新年のごあいさつ

岡山県農林水産部長 村上進通

 新年あけましておめでとうございます。
 皆様方にはお健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年の農林水産業を振り返ってみますと,食品偽装表示や残留農薬の問題が大きく取り上げられた年でありました。一昨年からのBSE等の問題もあり,我々農林水産業の関係者にとって「食の安全,信頼の確保」について,いろいろと考えさせられた1年であったと思います。
 畜産においては,牛肉に対する消費者の信頼回復が急務となっていることから,一昨年より,全国一斉に10桁の個体識別番号の耳標を飼育されている牛全頭に付け,と畜段階までの履歴を確認できるシステムが構築されました。岡山県では,さらにこのシステムを活用して,県独自に県産和牛の「トレーサビリティ(生産者履歴追跡)システム」を構築し,昨年10月からモデル店舗での運用を開始しました。
 このような中で,昨年9月に岐阜県で開催された全国和牛能力共進会では,本県から出品された24頭全てが上位入賞を果たし,岡山和牛の名声を全国にアピールすることができました。改めて,出品された生産者や関係の皆さんのご努力にお礼申し上げます。
 この成果を生かしながら,「トレーサビリティシステム」を推進し,消費者の皆さんに牛肉の安全性を理解していただくとともに,安全・安心で高品質な「おかやま和牛肉」のブランド確立に努めてまいる所存であります。
 また,岡山県では,県内で生産した農林水産物を県民の皆さんにもっと消費してもらう「地産地消」に取り組んでおり,昨年8月に「岡山県地産地消推進会議」を設立しました。生産者と消費者の相互理解を深め,高品質で,新鮮で,安全・安心な「おかやまブランド」の農産物を安定的に供給し,消費拡大を図る県民運動を関係者一丸となって推進してまいります。
 今後とも,本県の畜産が県民に安全で安心できる畜産物を安定的に供給するとともに地域に根ざした産業として持続的に発展していくために,地域の農地や稲わら等の有効活用による自給飼料の確保と生産コストの低減,防疫・衛生対策の強化,環境の保全と循環型農業の確立などの関係施策に積極的に取り組んでいきたいと考えておりますので,一層のご支援とご協力を賜りますようお願いいたします。
 最後となりましたが,新しい年が畜産関係者の皆さんにとって輝かしい年となりますようお祈り申しあげまして,新年のごあいさつといたします。