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新春のごあいさつ

社団法人岡山県畜産会 会長 池田隆政

 新年明けましておめでとうございます。
 皆様方にはさわやかな新年をお迎えのことと存じます。
 昨年を振り返ってみますと,畜産関係では牛海綿状脳症の発生に伴う混乱状態のなか,不適切な表示の問題等消費者の不信を招くような出来事が多く見られました。
 新年早々から牛の個体識別システムに係る全ての牛への個体番号の緊急装着とトレーサビリティの確保,牛肉の安全性をPRするためのイベント,シンポジウム等が行われるなど,関係機関が一丸となった取組で,信頼は回復してきておりますものの,WTO農業交渉の成り行きもみえず,今後の畜産に対する不安は依然として拭われたとはいえない状況にあります。
 しかし,本県におきましては,昨年9月に岐阜県で開催された「第8回和牛能力共進会」で近年にない好成績を収め,和牛生産県としての面目を保つことができたと感じておりますし,酪農においては飲用乳価が24年ぶりに引き上げられる見通しとなるなど喜ばしいことも見られました。
 一方,一般社会情勢については北朝鮮との国交正常化の難航や,景気の見通しの不透明感,刑事犯罪の増加等明るいニュースの乏しい年であったような気がいたします。
 このような情勢の中で,畜産経営者,一般消費者への支援,サービスの充実と組織の強化を図るために,社団法人岡山県畜産会,社団法人岡山県肉畜価格安定基金協会,社団法人岡山県家畜畜産物衛生指導協会の再編統合を推進しているところで,今年4月1日の統合が実現できる見通しとなっております。
 私達といたしましては,先行きの見えにくい畜産情勢に対処するために,組織統合のメリットを最大限に生かせるよう努め,経営支援対策,価格安定対策,家畜衛生対策等を一体的に実施できる体制を構築して参りたいと考えております。
 更には,県内の関係機関は言うに及ばず,中央の関係団体との連携を一層密にして,本県畜産の発展に貢献して参りる所存でございます。
 そのためには,各種調査や情報収集・分析にこれまで以上のご協力をお願い申し上げますとともに,各種事業の推進に努力してまいりたいと存じますのでよろしくお願い申し上げます。
 また,地産地消の推進を図るために,今年から始まるNHKの大河ドラマ「宮本武蔵」にあやかって,岡山和牛肉をメインにした駅弁「武蔵」の販売がなされると聞いておりますが,本会といたしましても岡山地鶏等の「特定JAS」規格認定に取組むなど,県産畜産物の消費拡大に務めて参りたいと考えております。
 終わりになりましたが,2003年が畜産にとって繁栄の年となりますよう心からご祈念申し上げ,私の新年のごあいさつといたします。