ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2003年1月号 > 畜産基盤再編総合整備事業の整備完了について |
賀陽地区畜産基盤再編総合整備事業は,高梁振興局管内の賀陽町及び岡山振興局管内の御津郡3町(御津町,建部町,加茂川町)をエリアとして,平成8年度から整備を開始しました。
岡山エリアについては,この度10月末をもって,御津団地佐藤牧場の整備を最後に,実に6年間の工期と,約14億円もの事業費を投じた全工事が終了しました。
工事開始当初に整備した畜舎や堆肥舎及び草地管理機械は,既に数年を経過しぞれぞれの経営基盤の強化に大いに貢献しているところです。
岡山エリアの主な事業概要については下表の通りですが,本事業の特徴的なことは,畜舎,ふん尿処理施設等の整備だけでなく,地域の活性化と新たなブランド作りを目指した活性化施設の整備にあります
加茂川町では,アイスクリーム製造施設を整備し,県内でも珍しいブラウンスイス牛の生乳を材料とした「ブラウンスイスアイス」を製造し,ハートビーフと並ぶハートフルタウン加茂川の特産品となっています。このブラウンスイス牛,ハートビーフ和牛ともに管内唯一の公共牧場である「加茂川町ストックファーム」で飼育されているものです。
建部町では,酪農家等13戸で設立した有限会社建部ヨーグルトによるヨーグルト製造工場「ヨーグルト工房」を建部町上地区の観光施設「やはたの里」内に整備しました。
このヨーグルトは,生乳100%,添加物を一切加えない自然の味として町内外に好評を博しています。
さらに今年7月には,建部ヨーグルトと加茂川アイスをジョイントして濃厚な味わいながら後味がさわやかなヨーグルトアイスクリーム,その名も「ヨーグルアイス」を開発し,両町のニューブランドとして発売中です。
いずれの施設も町の全面的な支援のもと整備されたもので,今後この施設を有効に活用して新たな商品開発と特産品作りが期待されます。
管内,御津郡地域は古くから畜産の里として各町の産業構造の主要部門を成しており今後も安定的発展が期待されるところですが,経営者の高齢化,後継者不足など,近年の畜産を取り巻く環境の厳しさは本地域も同様の状況にあります。
今後も農家が減少する中で本事業で整備した施設特に活性化施設を核として,畜産農家がより連携を強めることが重要と考えられます。
なかでもこの度,新生おかやま酪農業協同組合の発足により従来岡山エリアにありながら酪農協が分かれていた建部と御津・加茂川が同一組織となり,交流も一段と強まっている例もあります。
さらに畜産農家の連携はもとより堆肥供給を通じた耕種農家との連携により,環境保全や土づくり等地域でリーダーシップが求められるところです。