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〔普及現場からの報告〕

津山地域での稲発酵粗飼料栽培利用の取組状況

津山農業改良普及センター

1 はじめに

 津山地域の稲発酵粗飼料(WCS)の生産と利用については,昨年1月の本誌でその概要が紹介されていますが,今回は今年初めて取り組んだ専用品種(ホシアオバ)の裁培成績や経営収支等を中心にその状況を報告します。

2 稲発酵粗飼料生産・利用の状況

 津山市と久米町の転作組合農家では昨年から地域の酪農家で組織するコントラクター組合と連携してWCS稲の栽培に取り組んでいます。今年の栽培面積は津山市1.3ha,久米町3.5haの計4.8haで生産(耕種)農家は14戸,供給を受ける畜産農家は6戸となっています。
 収穫調製や流通面等では,おかやま酪農協指導部が積極的に仲介の労を執り,畜産農家では給与実証事業を実施しています。
 稲の品種は,13年度はあきたこまちや日本晴,中生新千本等の通常栽培品種で取り組みましたが,今年は津山市の1.1haで専用品種を作付しました。


ホシアオバ(収穫時)

専用機による収穫調製

3 専用品種の栽培概要

 品種は中生のホシアオバ(中国146号)で5月28日に5条田植機で24p間隔に植つけ,その際,防除の農薬箱施用を実施しました。除草剤は田植え直後とヒエ対策に使用しました。
 8月上旬から早期落水を行い,生育ステージとしては糊熟〜黄熟期に達した9月10日に専用機で収穫,乳酸菌を添加してサイレージ調製を行いました。
 収穫時の調査では,裁植密度12株/u,平均穂数21.2本/株,草丈は110p〜150p,10a当たり収量は現物で2.3t〜3.0t,ロール数では7〜8個(サイズ95×100で重さは250〜300s)の生産量でした。

4 生産利用体系と経営収支

 WCS専用種とは言っても,食用種と同様の管理技術で問題なく栽培できます。収穫時の作業効率を考慮して早期落水を行うことや,低コスト・省力栽培に努めるのが生産利用体系のポイントです。
 10aあたりの経営収支は下表のとおりです。収入は転作奨励金63千円とロールの販売収入2万円の計8.3万円となりました。一方,費用は栽培管理費用と4.7万円,収穫費用2万円(コントラクター委託費)の計6.7万円となり,10aあたり約1.6万円の所得となりました。

表 稲発酵粗飼料生産における経営収支(10aあたり)

5 今後の課題と展望

 稲発酵粗飼料の利用流通を図っていくためには生産体制の整備が不可欠です。今後の課題としては関係機関の一体となった取り組みにより,生産団地化体制及び耕畜連携による地域内粗飼料供給システムの構築を推進していくことが求められています。