ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2003年2月号 > 横臥は1日14時間!!あなたの牛はどうですか? |
乳用牛が快適性に過ごしているかどうかの目安の一つとして,1日の横臥時間は約14時間(58%),採食時間は約3〜5時間(12.5〜20.9%)が望ましいといわれます。また,長時間の横臥は牛体の構造上肢蹄の血行不良等を起こすため,1〜2時間に1回程度の寝起きも必要です。
そこで,管内の酪農家2戸(つなぎ牛舎)において,牛床マットの設置前と設置後の24時間の行動調査を行いましたので,今回は効果が著しい各1頭の結果を報告します。
給餌は,1日5回(サイレージ,配合飼料等を2回,乾草類,ビートパルプ3回)行っており,マットの種類は,ゴムチップチューブマットレスタイプです。
産次数は6産で,肢蹄がやや悪い牛です。
給餌は,1日7回(サイレージ・乾草2回,配合飼料(自動給餌機)5回)行っており,マットの種類は成型マットレス(合成ゴム)タイプです。産次数は1産です。
1.横臥時間は,設置前よりも設置後のほうが増加しました。特に,農家Aの牛は肢蹄が悪かったためか,設置前35.1%から設置後には61.4%まで大幅に増加しました。
2.寝起き回数は,増加する傾向がみられ,採食時間も増加しました。
3.農家A,農家Bで採食時間等に違いがあるのは,給餌回数が異なるためと思われます。
マット設置の本当の効果が現れるには,最低3〜4ヶ月程度はかかります。農家Bの牛は連続して横臥する時間帯がありますが,今後日数を経るにしたがい解消されていくと思われます。
この調査で,牛床マットの導入が,乳用牛の生活環境をより快適にする効果があることを行動面から確認できました。乳用牛の快適性の向上には,牛床マット導入のみでは十分でなく,水槽や飼槽等様々な角度からストレスを与えにくい環境へと改善していく必要があります。