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〔特集〕

最近のニューカッスル病生ワクチン接種による抗体応答

家畜病性鑑定所 秦 守男

はじめに

 鶏ニューカッスル病(ND)予防のため,B1株を用いた生ワクチンが一般的に使用されてきました。B1株は弱毒株のなかでも免疫原性が高いうえ,比較的安全性も高く,さまざまな接種方法で接種できる等野外での使用に適しています。しかし,免疫効果が持続しない,雛への接種時に移行抗体の影響を受けやすい等の問題点もこれまで指摘されていました。そこで,抗体応答が良好ということで近年発売されたVG/GA株,MET95株生ワクチンについて,ブロイラーへの飲水投与試験を実施し,両株のND抗体価の推移を調査しました。

試験概要

 供試ワクチンは,VG/GA株については「アビVG/GA」(メリアル社)を,MET95株については「ND生ワクチン化血研“S”」(化血研)を使用しました。試験区分は各ワクチンとも1回投与群(16日齢:6羽ずつ),2回投与群(16日齢及び31日齢:6羽ずつ)を設定し,38日齢まで同一個体を採血・継続観察しました。

結  果

 いずれの試験群も,従来のB1株より高い抗体価を示しており,128倍を超える個体も散見されました。(表1,2)
 投与前(16日齢)と投与後(38日齢)における移行抗体の影響を評価してみますと,いずれの株も投与前の抗体価がおおむね32倍以下では,移行抗体の影響を受けませんでした。(図1)

図1 移行抗体の影響

考  察

 VG/GA株及びMET95株は1回の飲水投与で充分な抗体応答を示すことからNDの発生防御に有効であると思われます。ただし,抗体価が3桁まで上昇する個体も一部認められ,ND発生時には慎重な判断が求められます。そのため,日頃より農場のワクチン使用状況や抗体価を把握し,異常鶏の早期発見に努めることが重要です。
 NDに限らず鶏病予防の第一は鶏を病原体から隔離することであり,ワクチン防御はあくまで二次的な手段です。発育不良や発熱,下痢等病気の徴候のある鶏群,移動等のストレスを受けている鶏群,不適切な飼育環境下でのワクチンの取扱いは,十分な効果を発揮できないばかりか,逆に病気を誘発するおそれがあります。今一度使用上の注意を守り,適切なワクチン使用を心掛けましょう。