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〔市況〕

北海道初妊牛市場価格の推移について

おかやま酪農業協同組合

取引価格から推察されるもの

 「いやあ〜 こう高うちゃ欲しゅうてもなかなか買えんなあ!」これが最近よく耳にする酪農家の嘆きの声です。
 北海道初妊牛は図表に示しているとおり,平成12年10月からこれまで連続で40万円を超えた平均取引価格となっています。(最高値月は今年3月で507,000円でした。)
 この間の34回の月平均の内,45万円を超えた月が20回(59%)もありました。それ以前は,30万円台で取引されていたのに何故こんなに高騰したのか?一言で云えば「需要が供給を上回ったため。」と云う他ありませんが,この現象を図表から推察すると次のことが読みとれてきます。

 @ 国内の畜産農家を震撼させた口蹄疫発生の平成12年春前から,すでに初妊牛は高騰の兆しを見せていた。しかも,その後の相場にもあまり影響が出ていない。
 A まだ記憶に新しい一昨年の9月に,我国初のBSEの発生が確認され,肉牛,乳牛老廃には価格の暴落など多大な影響を認めたが,初妊牛価格には

さほど影響が出ていない。
 つまり,この間に未曾有とも云える重大な伝染病が二回も発生したのにも拘わらず,初妊牛取引価格は3年前から若干の季節的変動はあるものの,潜在的に強い取引にあったことが伺えます。

メガファームとの関係

 需要が3年前頃から供給を上回った特徴的な背景には,全国的に離農が相次ぐ中にあって,都道府県の生産枠は緩和状態となり「伸びるところがより伸びる」,「伸ばせるところが伸ばせば良い」という酪農環境の変化にあったように思います。
 近年,メガファームという言葉が盛んに使われていますが,ここ数年の間に北海道を中心に全国各地で1000トンを超える経営が次々と誕生して参りました。この超大型経営においての搾乳牛資源地は,そのほとんどが北海道に向けられ,このことが初妊牛価格の高騰につながり,さらに維持している大きな原因ではないかと見ています。

今後の価格動向は

 今後とも高値基調には間違いないと思いますが,現初妊牛価格はメガファームにとっても決して許容できる価格とはいえません。目標頭数を達成したら導入中心から自家育成での更新に方向転換を図り,リスクの軽減に努めることは安易に想像できます。
 県内の中,小経営にあっても,このところ育成熱が高まり後継牛確保に一層努められています。また,北海道においては初妊牛の高騰を受けて育成牛が一時期より増加する傾向にあると聞いています。このことから資源は今後次第に豊富になる可能性があります。従って,初妊牛価格は今年中がピークで,来年あたりから徐々に値下げ方向と予想します。