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〔地域情報〕

長船町の「尿処理施設」が完成

岡山地方振興局畜産係

1.はじめに

 「家畜排せつ物法」の本格的施行を1年後に控え,県内各地域で家畜排せつ物処理施設の整備が進められています。
 岡山局管内でも,関係補助事業等を活用して地域や農家の実状に即した処理施設を整備しており,主なものとしては,御津郡3町で実施した畜産基盤再編総合整備事業と,岡山市,邑久郡3町で実施している資源リサイクル畜産環境整備事業による施設があります。また,これらの事業に参加していない農家は1/2補助付リースや単県事業等を活用して施設整備を行っています。

2.岡山地区資源リサイクル畜産環境整備事業(岡山市,牛窓町,邑久町,長船町)

 同地区の処理施設の多くはふんの乾燥・堆肥化施設で,一部,自然流下式牛舎の固液分離・尿曝気施設を整備しています。
 処理基幹施設は,酪農家5戸による長船町の尿処理(液肥化)施設で,県内でも希な取組み事例であるので,概要を紹介します。

3.長船団地の取り組み

 長船町では,中規模(成牛30~50頭)の酪農家6戸が町内に点在しており,水田を有効に活用した水稲・麦との複合経営を実施し,飼料作物の生産については共同作業も実施しています。
 ふん尿処理は,各農家毎に実施していましたが,「堆肥の品質が良くなく耕種農家の利用が進まない」,「宅地化の進展により尿散布場所,時期に苦慮する」等の問題を抱えており,これらの解決が大きな課題となっていました。
 このため,酪農家5戸が「長船町有機肥料生産組合」を設立し,良質堆肥の生産と尿の液肥化処理・利用を図ることを目的に,平成14年度に尿処理施設,平成15年度に堆肥化施設を整備しています。
 〈長船団地年度別事業計画〉


事業実施位置図

長船団地年度別事業計画

4.尿処理施設

 尿処理施設は,長船町役場の東約2㎞の住宅が途切れた水田の中,組合員である酪農家の牛舎の隣に整備され,日量6tの尿を処理する能力を有しています。
 平成15年9月の完成後,試運転を経て11月から本格的に稼働する予定です。
 これに先立ち,組合,振興局,普及センター等では,総合畜産センターの協力を得て実証圃を設置し,尿,液肥の水田利用についての検討を進めており,10月の稲の収穫時には良好な結果が得られるものと期待しています。
 今後,さらに麦作で本格的な液肥利用の実証を行うこととしています。


尿処理施設全景

5.最後に

 事業に参加した酪農家の方々は,厳しい経営環境の中,経営の存続を賭けて多大な投資を行い同施設を整備しています。生産された堆肥や液肥が円滑に地域内で利用され,順調に施設が運営されるよう関係者が一体となって支援していくこととしています。