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〔普及現場からの報告〕

モニタリングに基づく酪農経営改善指導

勝英農業改良普及センター

 勝英農業改良普及センターでは,本年度モニタリングに基づいた酪農経営の改善指導を実施している。モニタリング指導の具体的な方法は,畜舎の立地環境,舎内の空気環境,換気の方法,牛床・水槽・飼槽の状況,乳牛の反芻・横臥率,起立横臥動作,BCS,前肢・後肢・乳房等を観察し,総合的な観点から,問題点を抽出して農家に提示するとともに,優先順位付けした具体的改善策を提案している。
 以下にモニタリングによる指導に基づく改善事例を紹介する。

(改善事例)

1.TMRの粒度改善

 モニタリング時点では,粗飼料の品質・切断長に問題があると判断されたので,粗飼料の規格を高めると共に,ミキサーによる撹拌時間の延長を提案したところ,実施され,適正に近い粒度となった。


(改善前)TMR残飼:太く長い粗飼料は選び食いで
残飼となり、繊維の確実な摂取ができない。

(改善後)給与時のTMR:粗飼料の品質を高め、切断長
を短くすることで、選び食いを防止。

2.フリーストールの改善

 ストール内で佇立する牛の割合が26%と高く,通路横臥牛もいたため,ストール構造を測定したところ,横臥起立動作をし難い構造と判断し,ストール改造案を提案したところ,泌乳前期牛群において改造実施に至った。


(改善前)前方に障害物(H鋼)があり、ネックレールも
低く、寝起きし難いストール

(改善後)前方のH鋼を除去、ネックレールも高く上げて
寝起きしやすさを大幅に改善

3.この他,送風機設置数・設置方法の改善も実施されている。

 現在は,農家に調査結果を説明しながら,改善策への取り組みを推進している段階であり,実践まで至っている例は少ないが,モニタリング実施農家の多くが,調査結果(表1)と提案内容を,課題として受け入れており,改善実践農家は,今後増えていくものと考えている。

表1 モニタリング調査結果とりまとめ(つなぎ方式のみ)

 注)表中の数字は,問題牛の発生割合を示す。