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〔普及現場からの報告〕

「せとこがね」の稲ホールクロップサイレージ利用への取り組み

東備農業改良普及センター

 本年4月号の本誌で「飼料用イネの救世主誕生か?」と題して紹介した水稲品種「せとこがね」の栽培が今年度から熊山町において行われています。今回はその概要を紹介します。

○「せとこがね」とは?

 「朝日」「アケボノ」に変わる晩生品種として平成元年に県の奨励品種となりましたが,平成10年に奨励品種からはずれました。この間,栽培農家からは脱粒が非常に困難であるとの感想が多く出ていました。東備地域では,これまで「アケボノ」を中心に飼料用イネを栽培・利用してきましたが,「アケボノ」は易脱粒性品種で,既存のロールベール体系での調製ということもあり,脱粒が多いことが悩みの一つでした。そこで,「せとこがね」の難脱粒性に着目して,飼料用栽培にとりくみました。

○栽培概要

 栽培面積は60a,酪農家1戸で行っています。
 田植えは,6月下旬〜7月上旬に実施しました。施肥は,堆肥を4t/10a施用したのみです。また,一部でアオムシの被害があったものの,農薬・除草剤は,使用しませんでした。収穫は 黄熟期に達した10月9日に実施しました。
 収穫時調査の結果は以下のとおりです。

   現物収量(s/10a) 3,100s/10a
   乾物収量(s/10a) 1,250s/10a
     水分       59.7%
     草丈        105p

 生育は全般的に良好で高い収量が得られました。
 また,脱粒性を調査したところ「せとこがね」の脱粒数は620粒/uと「アケボノ」の830粒/uよりも低い結果でしたが,依然2割程度の籾が収穫調製段階でロスしていました。


写真=収穫後の脱粒の様子

○今後の課題

 サイレージの品質・嗜好性等は,今後調査検討する必要がありますが,「せとこがね」は,高収量で,脱粒性は当初期待されたほどではないものの「アケボノ」よりも低いということで,今後,県南部における飼料イネ主力品種となることが期待されます。