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新春のごあいさつ

社団法人岡山県畜産協会
会  長 池田 隆政

 新年あけましておめでとうございます
 皆様方にはさわやかな新年をお迎えのことと存じます。
 昨年を振り返ってみますと,イラク情勢に絡んだテロ行為の頻発,北朝鮮との国交正常化の難航,更にはWTO・FTAの決裂等国際的に大きな出来事があげられます。
 国内では,久しぶりに都市銀行の不良債権の減少等,景気や雇用に回復の兆しが見えており,また,牛海綿状脳症(BSE)発生以来,食の安全・安心の問題がクローズアップするなかで国においては食品安全委員会の設置や消費・安全局への組織改革など安全対策への推進体制が大きく進展いたしました。
 一方,地震の発生や凶悪犯罪の多発等明るいニュースの少ない1年でもありました。
 畜産関係においては,消費の慢性的停滞等から鶏卵,豚肉の価格の低迷や,畜産環境保全対策など先行きに不安の残る状況が続いているなかで一般消費者の食の安全・安心に対する意識の高まりに対処し,畜産物の消費拡大を図るべく,食の安全・安心に係るイベント,シンポジウム,地産地消の推進等が各地で行われて成果を上げていることは喜ばしい限りであります。
 更には,牛肉の安全性に対する信頼確保や的確なBSEの蔓延防止等を目的とした牛肉のトレーサビリティー制度の実施に向けた特別措置法が施行され,昨年12月1日から全頭耳標装着による牛の出生から,と畜にいたるまでの届出等が義務化されました。
 なお,牛肉の流通については,今年の12月1日には個体識別情報の伝達が義務化される予定となっているようです。
 このような情勢のもと,昨年は本県畜産の効率的な事業推進を図るため,3団体を再編統合いたしまして,「社団法人岡山県畜産協会」を設立するなど大きな変革の年となっております。
 この新協会設立後,県からの委託を受けて死亡牛についてBSEの全頭検査を行うための施設である岡山県家畜衛生管理センターの管理運営の開始や畜産物の安全・安定供給のための消費者,流通関係者,生産者の相互の理解を深める体制づくり等に積極的に取り組んでおります。
 今後とも,国,県の指導のもと,県内関係機関は言うに及ばず中央団体との連携を一層密にしながら,畜産農家の経営支援対策,価格安定対策,家畜衛生対策,環境保全対策,畜産物の安全・安心対策等幅広い事業を推進し,県内畜産の振興に努めてまいる所存であります。
 終わりになりましたが,2004年が畜産経営におけるあらゆる問題が「申年」となりますとともに,皆様方のますますのご繁栄をご祈念申し上げまして私の新春のごあいさつといたします。