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〔技術のページ〕

牛コロナウイルス病とその予防

井笠家畜保健衛生所 技師 篠田 剛

1.牛コロナウイルス病とは

 牛コロナウイルス病は寒い時期を中心に子牛、成牛を問わず発生する下痢症で、瞬く間に牛舎全体に広がり7〜10日間下痢が継続します。経口感染し糞便中に排出された大量のウイルスが敷わら、水、器具機材などに付着して伝染していきます。本病は新生子牛型と成牛型の2つに大別され、子牛では牛ロタウイルス病や大腸菌症と並んで多発する病気です。またこれらのウイルス、細菌との混合感染で下痢が発症し発育不良の原因となったり、重篤な場合には死亡することもあります。成牛では死亡するものはまれですが、罹患中、下痢に伴い2〜4週間、泌乳量の減少や泌乳停止がおこり全体として乳量が約5〜30%程度減少し大きな経済的損失をもたらします。また、本病は3〜5年の周期で大流行し、一度感染しても免疫抗体が9ヶ月間程度で消失するため、再感染します。

2.経済的損失

 子牛・・・死亡および下痢による発育不良による損失があります(特に肉用牛)。
 成牛・・・乳量低下による損失。たとえば,30頭飼養農家で発生したとすると2週間下痢が継続した場合は約40,000〜360,000円の経済的な損失が生じます。

3.予防方法など

 本病はウイルス病なので根治療法は有りません。主に輸液による対症療法になります。実際には症状が軽く1〜2週間で完治する場合が多いため、加療しないことが多いと思います。予防法としては、“牛コロナウイルスワクチン”の接種が最も有効です。接種方法ですが、いままでにこの病気にかかったことがある牛、もしくはワクチンを接種したことのある牛については寒くなる約1ヶ月前に1回接種すれば9ヶ月間効果が持続します。しかしながらこの病気にかかったことがなく、またワクチン接種もしたことがない牛については3週間間隔で2回接種する必要があります。実際的には9月から11月にかけて接種することになりますが、担当獣医師とよく相談して効果的に接種してください。

 本病は軽微な症状で経過することがほとんどですが、環境条件や牛の健康状態、ウイルスの変異等により重篤な症状を出す場合もあります。また症状が軽くても大きな経済的損失が生じますのでワクチン接種による予防をお奨めします。