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〔特集〕

平成15年度岡山県畜産関係業績発表会開催される

岡山県農林水産部畜産課

 この発表会は,県下の家畜保健衛生所,家畜病性鑑定所及び総合畜産センターの職員が,日常業務に関連した事業・調査及び研究等の業績について発表し,討議を行うことにより畜産の現場に即した技術の改善と向上に資することを目的として,毎年1月に開催しており,本年度は,平成16年1月21日に岡山市芳賀のテクノサポート岡山において開催されました。
 また,家畜保健衛生所及び家畜病性鑑定所の発表については,2月18日に松江市の島根県民会館で開催される中国四国ブロック家畜保健衛生業績発表会への出場者を決定する代表選考会でもあります。
 そのため,業務に関連した発表とはいえ,各事務所を代表して発表する職員は,年末から発表会前日まで,データの取りまとめや考察に多くの労力と時間を費やし大変苦労します。

 発表内容は,家畜保健衛生所及び家畜病性鑑定所の部として,第1部が家畜保健衛生の企画推進に関する業績,第2部が家畜の保健衛生に関する試験・調査研究に区分されます。総合畜産センターでの,研究・調査は第2部の発表です。
 発表時間は,1題10分以内で,発表者は,コンピューター及びプロジェクターを使い,図表や写真により発表します。質疑応答は,2分以内となっていて,審査長の岡山大学奥田教授をはじめ,農林水産部畜産課長,各家畜保健衛生所長,家畜病性鑑定所長,総合畜産センター所長の審査員及び会場からの質問に回答します。
 各事務所の次長が座長となり,進行しますが,熱心な質疑のため時間が超過する事も多々あります。
 本年度も,熱心な発表が続きましたので,その内容等についてお伝えします。

 発表会は,村上県農林水産部長からの,熱のこもった挨拶に始まり,まず我が国食糧自給率向上のため,@農業を支える担い手確保の方策について,次ぎにAFTO自由貿易機構における国際化が進展する中での,農業基本法改定による増産対策の推進,さらにB食の安全・安心に関しては,BSE・コイヘルペス・高病原性鳥インフルエンザ等,人の営みへの警鐘とも言われるような21世紀の新たな疾病が発生する中で,真の畜産発展のためには,これらの疾病を解決し,克服する事が重要であると強調されました。

 引き続き,第1部14題,第2部11題,計25題の発表がなされました。
 本年度は,和牛関係の発表が最も多く,超早期離乳技術の利用により地域間で哺育・育成作業を分担し,増頭を指導した事例等1部の発表が3題と総合畜産センターから黒毛和種の形質に関する遺伝子領域の研究2題について発表がありました。
 家畜保健衛生所の部では,本年度の重要課題として取り組んだ「死亡牛のBSE全頭検査」に関する発表について,岡山家畜保健衛生所及び検査を担当している家畜病性鑑定所からそれぞれ行われました。
 また,本年11月1日からの「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」に定める構造設備の管理基準施行を前に,畜産環境に関する指導・研究に関する発表も4題あり,畜産環境アドバイザーとしての指導等について発表されました。
 酪農においては,高品質な生乳生産に対する指導と疾病ではヨーネ病対策が課題となっており,酪農グループに対し飼育環境の改善や搾乳指導等総合的に実施し乳質及び乳量の向上した事例やヨーネ病摘発淘汰牛の病態について血清・細菌検査結果と併せて検討した発表等が行われました。
 発表は,この他鶏病関係のワクチンプログラムの検討や症例報告,ダチョウの衛生検査とワクチンの検討や野生動物の病原性調査など多岐に及ぶものでした。

 最後に,審査長の岡山大学奥田教授から,全体としてよくまとめられていて,スライドについても見やすいものが多く,発表技術の向上がうかがえたとの審査講評があり,あわせて,家畜保健衛生所及び家畜病性鑑定所の部における中国四国ブロック家畜保健衛生業績発表会への代表者について発表があり,上原畜産課長の閉会の挨拶で終了しました。

中国四国ブロック家畜保健衛生業績発表会発表演題及び発表者