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酪農研究会の研修
〜建部ヨーグルト・岩本牧場編〜

岡山県総合畜産センター大家畜部  田辺 裕司

 岡山県酪農研究会(事務局:総合畜産センター)は,総合畜産センターで取り組んだ試験研究の地域定着を推進するための組織として昭和49年から活動しています。講演会などの開催とあわせ,当センターの研究課題との関連が深い,牛乳加工や地域性を生かした放牧経営などの事例紹介を兼ねた視察研修を昨年から行っています。本年度は,11月28日に酪農家の運営している旧囎買ーグルト「ヨーグルト工房」(建部町)と牛舎の無い放牧酪農(山陽町)を対象に実施したので紹介します。

1 旧囎買ーグルト「ヨーグルト工房」
(建部町)

 昭和63年に町内酪農家で乳製品製造会社が設立されました。平成12年新工場を建設して会社も13年改組して現在の名称になっています。「100%町内産の生乳」「無添加」にこだわった乳製品の製造,販売が行なわれています。
 ドリンクヨーグルト(150円/180p)を試食しましたが,果糖のあっさりとした甘みが生乳本来の風味を引き出していました。なお,一番人気はプレーンヨーグルト(120円/100p)で,ヨーグルト本来の酸味が人気の秘密となっています。

2 岩本牧場(山陽町)


のどかな放牧風景が迎えてくれる

 北海道では牛舎の無い酪農は良く知られていますが,山陽町の岩本牧場もパーラーと堆肥舎などはあるものの牛舎はありません。経営開始以来30年間,山間地(標高300m)で通年放牧による山地酪農に取り組んでおられます。
 草地は人間でも滑り落ちそうな急傾斜地,林間を含む放牧地と頂上部に広がる採草兼用地をあわせて約24haです。放牧地は,牛の嗜好性が良いセンチピードを中心とした芝草地で電気牧柵を長年利用されています。視察は師走間近の11月末でしたが,春に訪問した岩本牧場は,センチピードの緑と風にそよぐ採草地でまさに「緑の牧場」そのものでした。草地酪農の基本である管理もすばらしく,見事なまでに雑草の混入が抑えられていました。岩本さんにお聞きすると,「管理の基本は草地のなかを歩くこと。ギシギシは1日歩いても見つからないかも知れない・・?」と話しておられました。
 南は剣山から北は大山まで見渡せるこの岩本牧場ですが,現在,後継者を募集されているそうです。大自然に囲まれた酪農経営に興味を持たれる方は,一度連絡されてみてはいかがでしょうか。


斜面は岩場も多い


頂上部を見上げると圧倒されるよう

頂上には3haの草地が広がる