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〔特集〕

耕畜連携を推進し,持続的畜産をめざそう!

岡山県農林水産部畜産課

1.岡山県民の食糧自給率は40%

 農水省が,消費者・農業者等を対象にした意識調査では,国民の90%が食糧供給に不安を抱いており,消費者の85%が食糧自給率について大幅に引き上げるべきだと回答しました。畜産においては,米国で発生したBSEや,アジア地区で拡大している鳥インフルエンザなど,国民の食の安全・安心に対する不安は一層高まっています。
 政府はカロリーベースの食糧自給率の目標を現在の40%(表1)から6年後の平成20年度には45%にすると設定しておりますが,食生活が大きく変化したこともあり,目標達成はこのままでは困難な状況です。畜産サイドとしては,飼料は可能な限り国内で生産すべきという認識が強まっているものの,飼料の自給率は約24%,粗飼料だけをみても77%(表2)と依然として輸入依存型の生産構造となっています。
 また,飼養規模の拡大が進むなか,本年11月からは「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」により家畜排泄物の野積み・素堀に対する規制が行われることから,飼料生産とふん尿処理は畜産業にとって避けることの出来ない問題であり,耕畜連携を推進し持続的な畜産業へと転換していくことはきわめて重要な課題となってきました。

2.新たな米政策改革関連対策に取り組もう!

 平成16年度から米政策改革大綱に基づき新たな制度がスタートします。
 (1) 産地作り対策
 従来の転作助成金は,水田農業構造改革交付金となり,地域自らが策定した「産地作り計画」に沿って,産地作り対策が進められます。
 助成金の作物別(飼料作物)単価は地区協議会ごとにこの中で定められ,さらに地域の創意工夫で様々な取り組みへの助成が可能となります。
 (2) 耕畜連携推進対策の取り組み
 「産地作り対策」に上乗せで助成されるもので(全国一律13,000円/10a),取り組みとしては以下のものがあります。
 @一定面積以上の団地化による飼料作物の生産
  2ヘクタール以上の団地化または1ヘクタール以上の団地が2団地以上(中山間地は面積がそれぞれ1/2)
 A稲発酵粗飼料又はわら専用稲の生産
 B水田放牧の取り組み(1ヘクタール換算で成牛2頭以上放牧,放牧日数は延べ90日以上)
 C資源循環の取り組み(飼料作物を作付けした転作田へ,10アール当たり2トン又は4立米以上の堆肥還元)

3.こんなことに気を付けよう

 来年度の取り組み予定面積について,各市町村には定期的に聞き取りを実施していますが,地域で説明会を進めるに従って,面積が大きく増減するケースが見受けられます。事業内容について理解されつつあり,事業への取り組みが進んでいると言えますが,市町村の担当の方はかなり頭を痛められていることとお察しします。畜産農家の方々へは,パンフレットを配布する等周知を図っており,来年度から本対策へ取り組もうと考えられている方も多くおられると思いますが,要件については今一度確認しておく必要があります。
 @の飼料作物の団地化については,農作業の効率化を図り,自給飼料の生産性が向上を図ることが必要であることから,従来の土地利用集積型は対象となりません。県の昨年までの飼料作物の団地化への取り組みは6町村と非常に限られており,スムーズに事業を進行するには事前によく調整しておく必要があります。A稲発酵粗飼料は平成15年度33ha取り組んでおり,わら専用稲については今までは限られた県のみで生産されていました。@の団地化とも関連しますが,産地作り計画の交付金は従来の土地所有者から今後は実栽培者へ支払われ,また,耕畜連携推進対策においても原則実際の耕作者が助成対象者となります。畜産農家が耕種農家の土地を借り受けて転作していた場合,交付金は,誰がどのように受けるか予め話し合っておく必要があります。また,稲発酵粗飼料でも専用種や,わら専用稲に取り組む場合は,食用米との交雑を心配されている地域もありますので,事前に周辺農家等とは協議をしておくべきでしょう。Bの資源循環への取り組みは,自己経営地への堆肥散布は補助対象となりません。この場合,自己経営地とは,借地(自己の飼養する牛群へ供給する飼料作物の作付け地等)も含まれます。その他,原則として耕作放棄されている(3年以上作物の作付けが行われていない)水田での取り組みは,本対策の対象とはなりません。

4.持続的畜産業の構築には,転作田の利用が益々重要に!

 事業の推進には,少々ネガティブな内容となりましたが,一人でも多くの方が取り組むことが大切であり,また,持続的な畜産業を実践し自給率の向上につながるよう,農業の将来を見越して取り組んでいくことが肝要です。岡山県の飼料作物の作付け地は以下のとおりとなっており,田を有効に利用していくことは,資源循環型社会を構築していく上でも益々重要であると思われます。