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〔特集〕

平成16年度岡山県農林水産行政の基本方針
(農林水産行政の概要から)

岡山県農林水産部畜産課

 農林水産業や農山漁村は,県民の生活に欠かすことのできない最も基礎的な食料を生産し,供給するほか,その生産・維持活動を通じて,県土や自然環境の保全,水資源のかん養等の多面的機能を増進し,県民の安心できる豊かな暮らしを守る基盤として重要な役割を果たしている。併せて,豊かな自然や人とのふれあいなどにより,心を癒し人間性を豊かにする働きも担っている。これらの役割を21世紀においても持続的に発展させるために重要なことは,環境に配慮しながら,食料供給者として,高品質で安全・安心な農林水産物を生産し,消費者の期待に応えることである。
 そのためには,農林水産業に携わる者が一丸となって,地域特性にあった付加価値の高い農林水産物の振興,技術の開発や指導,販売促進や基盤整備の推進,担い手の確保・育成など,それぞれが知恵を出し合って,その役割を今以上に果たしていくことが重要である。これらの取組が実を結び,農林水産業を大切にし,元気な農林水産業をつくりだすことが,地域を活性化させることとなる。
 また,本年度から米政策改革の実行がスタートすることから,地域の自主性を重視した施策体系へのスムーズな移行を推進するとともに,構造改革特区を通じた多様な農業への展開に即した適切な対応が必要である。
 併せて,食の安全・安心に対する県民の関心が益々高まっており,食料自給率の向上の観点からも地域で生産された新鮮で安全な農林水産物が求められていることから,さらに高品質で安全・安心な農林水産物の生産拡大や生産者の顔が見える新鮮で安全な農林水産物を提供できるシステムを充実し,その対象を拡大することが必要である。
 さらに,農林水産業の環境にやさしい産業として,新たに創設された「おかやま森づくり県民税」を活用した森林の公益的機能を高める森づくりや県産材需要拡大の推進をはじめ,瀬戸内海の環境を守るための藻場の再生事業への取組や環境への負荷が少なく持続的発展が可能なバイオマス利活用への取組を進めることが必要である。
 このような基本認識のもと,このたび改定した「21おかやま農林水産プラン」に掲げる今後5年間の品目ごとの生産目標と計画期間の半ばを迎える「新世紀おかやま夢づくりプラン」に掲げる目標の達成に向けて,県民に安全で安心できる多彩で豊かな農林水産物を安定的に供給するとともに,農林水産業が環境への負荷の少ない産業として持続的に発展するため,各種施策を積極的に推進する。

(注)畜産行政の推進方針については次号掲載予定