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〔技術のページ〕

おかやまミートandミルクフェスティバル2004から明日を考える

岡山県総合畜産センター経営開発部  栗木 隆吉

1 はじめに

 さる,3月7日岡山市の「ピュアリティまきび」において,岡山県畜産協会と岡山県畜産物加工技術研究会(以下,研究会)の共催で,「おかやまミートandミルクフェスティバル」が開催されました。今回は,このイベントについてご紹介しながら,県産畜産物加工品の商品開発に求められる技術について考えてみたいと思います。

2 「おかやまミートandミルクフェスティバル」について

 このイベントには,消費者を中心に生産者,流通関係者の方々,180名程にご参加いただき,研究会のメンバーが開発した新製品の発表会を軸に,県産畜産物加工品のPRと参加者の意見交換・交流を行いました。
 始めに,くらしき作陽大学食文化学部の木戸先生により「地域から創る食の文化─安心・安全をめざして─」という演題で講演があり,次の点が指摘されました。
 @ 地域の農畜産物を活用した食品においても消費者志向の商品開発が不可欠である。
 A 消費者が求めるのは食の安心・安全,健康である。
 B 地域においても食の流れ全体をフードシステムとして捉える。
 C 生産から消費に至る関係者間の情報交換を活発にし,フードシステムの最適化を図ることが必要である。
 次に,研究会会員の新商品などの試食会を行いました。今回は会員自らがそれぞれのPRコーナーを設け,新商品の宣伝を行い,参加者の質問や時に商談を受けました。新商品の一例を紹介すると,生ソーセージ(日笠農産),黒豆ソーセージ(金時ファーム),ヨーグルトマドレーヌ(建部ヨーグルト),ビーフソーセージ(蒜山酪農)等々です。
 最後の意見交換会では,参加者にそれぞれの立場で日頃考えていることをお話し頂き,活発な交流(時には厳しいご助言も)がおこなわれました。

3 アンケート結果について

 このイベントでは県産畜産物加工品のアンケートを実施しました。参加者の年代として5,60代が6割を占め,3分の2が女性でしたので,その回答が一般的な傾向というわけにはいかないと思いますが,少しその結果をご紹介します。
 回答総数は127。これまで県産の畜産物加工品を購入したことがある人は97(75.8%)でした。購入理由を図1に示しました。半数以上が「美味しい」を,2割が「地元の製品」を理由に挙げています。次に,図2に購入しなかった理由を示しました。「近くで売っていない」「知らなかった」が半々でした。商品の宣伝や購入機会が少ないことが課題となっています。
 また,図3に大切だと思うキーワードを示しました。一番が「安全性」,次に「価格」「安心感」「味」が続きました。BSEや鳥インフルエンザが大きな問題になっている昨今では当たり前の結果というべきでしょうが,地域特産的な加工品であっても消費者の皆さんに分かる形で安全性を確保することが大きな課題となっています。



4 これから求められる技術とは

 食の安全を確保するためには,作り手の確かな技術と知識が不可欠です。そして,それを担うのがヒトです。そのために,食品の衛生管理手法でよく紹介されるHACCPでも従業員教育に重きを置いています。
 しかし,地域特産で畜産加工に取り組んでいる事例は比較的規模が小さく,限られた人材の中で対応できることには限度があります。「やりたいこと」「やらなくてはいけないと思っていること」はたくさんあっても,生産と販売に追われてなかなか手が出せないのも加工現場の実情でしょう。
 それでは,その壁を越えるにはどうしたらよいのでしょうか。
 解決策に一つは「ネットワーク」です。求められる技術や知識が高度化,広範囲化すれば,一人で対応するのは難しい。「餅は餅屋」,得意な人に助けてもらうのです。そんな助っ人をどれだけ持っているか,ただ持っているだけでなくきちんと整理して,使い勝手を良くしておく(最適化)。そういったネットワークの構築・管理技術が必要です。適切な助力を得ようとすれば,相手に自分のことをよく知ってもらう必要があります。また,相手のことを知らなければ,安心して頼めません。
 しかし,そんなネットワークすぐできないと考えるあなた,安心して下さい。岡山県には畜産物加工技術研究会と総合畜産センターがあります。畜産物の安全と安心のネットワークを支える一翼として,皆さんのお役に立ちたいと考えています。結局,研究会とセンターの宣伝になってしまいました。お気軽にご相談下さい。