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〔共済連便り〕

診療所の取組み事例

勝英家畜診療所  田村 展敏

簡易放牧による遊休地活用

 勝英地区では,農家の高齢化・農作物の価格低迷等により遊休農地が発生し問題となっています。これまで,勝英土地改良区を中心に関係機関が協力し,遊休農地地権者の意向調査や新規作物の検討・農地流動化の促進等の取り組みを行ってきましたが解消には至っていません。
 そこで平成15年度,普及センターは農林水産事業部と協同で町と連携をとり,上記課題の解決策の1つとして,電牧を利用した和牛放牧による遊休農地の活用を提案・推進しました。
 この簡易放牧推進(支援)体制は,町・JA・家畜保健所・勝英局事業部・総合畜産センター・農業総合センター技術普及課・普及センター・共済連で行っています。
 この開拓農地の全ほ場に,畑潅水施設(飲水源確保)が整備されていたため,放牧に適した条件であり,すぐに放牧することが可能でした。まず放牧する上での予防対策として,@寄生虫対策(イベルメクチン製剤の投与)A鈴の装着(居場所の確認・熊の防除)Bハエ対策(バイオフライセータグの塗布)C寄生虫・血液検査(ピロ・肝蛭・肝機能・一般検査)等を実施する事を決め,今回の放牧牛は3頭で,いずれも妊娠牛であり,分娩予定日の約10日前まで放牧する運びとなりました。しかし放牧の途中に,削痩・食欲不振となり下牧させた牛がいたため,分娩約1ヶ月前には下牧させ増飼する必要があると考えられました。
 今後の対策・取り組み・課題について,上記以外に遊休地解消対策として,畜産農家との連携が必要(簡易放牧を推進する)であり,また,新規に放牧を開始する時には今回同様,関係機関が一致団結して支援する事が,最も重要であると思いました。今回の放牧は,夏〜秋にかけての放牧でしたが,春〜夏にかけての放牧についても実証が必要であると考えられました。

超早期親子分離の哺育育成

 この農家は,繁殖経営と削蹄業も行っており,牛の飼養管理を行う時間が制限されるため,この超早期親子分離の哺育育成にも取り組んでいます。以前まで,子牛の肺炎・下痢等の病気が多発していましたが,この超早期親子分離の哺育育成を実施した結果,8〜12月までに生まれた子牛13頭に肺炎・下痢等の病気にかかった子牛はいませんでした。

哺育育成マニュアルの方法

 @分娩後2〜3日は,母乳を十分に飲せる(免疫抗体の確得)
 A3〜4日でハッチに移動(親子分離)
 B代用乳を250gずつ2回投与
 C最初からスターターと乾草を給与
 D定期的にビタミン・アルギフローラの投与
 E寄生虫(コクシ)対策
 等で,十分に気をつけながら飼育することで精細な管理が可能になり,また,早期親子分離乳による母牛の分娩間隔の短縮効果・哺育育成による子牛の人への馴致効果も狙える方法と思われました。