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「ピンチをチャンスに」と念じて

おかやま酪農女性部  田中 利乃

 酪農経営への取り組み等についての記事をとの依頼を受けたのですが,何分にも現在わずか経産牛11頭,初妊牛2頭,育成牛3頭の小規模経営の酪農です。結婚した当初は,経産牛3頭,育成牛1頭,全てが手作業でパイプラインはおろか,バケットミルカーもなく,給水も大きなバケツに水道の水を汲んで給与しておりましたが,長男を妊娠してからは,重いバケツでの給水は無理になりウォーターカップを取り付け,バケットミルカーを購入,自家育成で徐々に増頭,継ぎ足し牛舎で道路を挟んでの搾乳作業,飼養管理が不便になり,結婚後5年目に20頭牛舎を新築,その中に経産牛10頭,育成牛(初妊牛3頭含む)8頭を繋ぎ自家育成で経産牛を牛舎に満杯にを目標に頑張っていましたが,なかなか思う様に増頭出来ず県南の方から,4〜5頭購入しやっと満杯になり,さあこれから頑張って乳を搾ろうと張り切っていた矢先,何の因果か頼みもしないのに,我が家の愛牛に,サルモネラ菌がとりつき,せっかく搾った乳をバキュウムで田んぼに散布。家保の方達のお世話で牛舎全体の消毒,共済獣医さんによる手厚い看護,あの時は大勢の方達にお世話になり感謝の気持ちで一杯です。主人はあの時のショックが大きかったのか酪農への意気込みが薄れたのかせっかく増頭していた牛も段々と減り現在に至っております。
 飼料作は,当初イタリアンを稲作(借地)の裏に,そして自家田にはサイレージ用のソルガムを作付し,イタリアンは乾牧草に全てしておりましたが,最近では田植えが早くなったのと天候不順が多く,乾牧草は購入に頼り,サイレージ用はコーンに切り替えて作付けしておりますが,サイレージは10月〜翌年7月頃まで給与して,真夏だけは乾牧草のみで粗飼料は賄っております。このサイクルが我が家には合っているのではと思っております。次に糞尿処理の事ですが今の所は,耕種農家への還元と自家田で充分賄っておりますが,今より増頭すると,処理施設を考えなければなりませんが,現時点では設備投資する気にもならず現状維持で頑張るしかないと思っております。環境問題が厳しくなる昨今では,私宅の様な,小規模酪農家は自然消滅するしかないのではないでしょうか。環境が良く成る事は,すばらしい事だと思いますが,今少しそれぞれに適した指導があっても良いのではないかと思われてなりません。
 小さな小さな酪農家ではあるけれども,子供3人,長男は後継者にと思い中国四国酪農大学校へ進ませ,在学中バイト先の進めで,職業訓練所の電気課に一年通学後就職。次男は,大阪外語大学を卒業後自力でドイツに留学3年,帰国後外国人相手の派遣会社に就職し通訳として頑張り,長女は高校卒業後福祉関係に就職しておりましたが,現在は自宅で家事全般と飼料給与を手伝ってくれております。こうして,3人の子供をそれぞれの道に進ます事が出来たのも酪農をしていたお陰と思っております。
 だらだらと思いつくままにペンを走らせましたがここで先日,目にして感動した言葉を記してつたなく恥ずかしい文を終わります。

 ピンチはチャンスだ,人生はドラマだ
 人生がとてもすてきに
 すばらしくより一層光かがやきだすんです
 ますます光輝く人生を
 ありがとうの心と共に
 つらい事がおこると感謝するんです
 これでまた強くなれるとありがとう
 悲しい事がおこると感謝するんです
 これで又人の悲しみがよくわかると
 ありがとう
 ピンチになると感謝するんです
 いつの日かピンチがチャンスに
 なる事を念じて