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〔普及所だより〕

岡山型酪農のスタンダードを目指して
〜笠岡湾干拓地でのトウモロコシ生産〜

井笠農業改良普及センター

◆笠岡湾干拓地というところ

“10haの畑”
 東京ドームでいえば2個分となるらしいが,ここ笠岡湾干拓地では,1枚が10ha,500m×200mの圃場がいくつも並んでいる。
“搾乳牛頭数200頭”
 飼育頭数40頭が県下の平均的な酪農家の規模だが,ここ笠岡湾干拓地では,搾乳牛200頭規模の酪農家が少なくない。最新施設では200頭を1時間足らずで搾る。3回搾乳も行っているが,最近では4回搾乳の声を耳にする。
“2万t”
 笠岡湾干拓地内で1年間に生産される牛糞堆肥の量だ。今後も畜産農家の増頭計画があることから,堆肥生産量はさらに増え続ける。堆肥の身元引受人の確保は最重要課題だ。

◆海に咲け!トウモロコシ

 笠岡湾干拓地は海抜マイナス6m。ひと昔前までは海底である。塩害でトウモロコシはできないと言われたこの地でトウモロコシの栽培が始まったのは平成11年。以来,先駆者の努力で2期作が可能であることが実証された。しかし,栽培体系は確立されていない。
 トウモロコシは,言わずと知れた KING OF 飼料。その高い飼料価値の他に,多くの肥料を必要とする多肥植物としての一面もあわせ持つ。
 「雪印」「パイオニア」「カネコ」「日本総業」「タキイ」,国内の主要メーカーが名を連ね,今年,笠岡湾干拓地でトウモロコシの実証試験が始まった。14品種,55haで行われる大規模試験は,干拓畜産の未来を担う。

◆500馬力の凄いヤツ

 延べ作付面積200haを超えるトウモロコシの収穫には,メルセデス製V型8気筒500psエンジン搭載の6条刈りのコーンハーベスターが疾走する。収穫能力は実に2ha/時間,1時間に約100tものトウモロコシを収穫する。
 対する受け入れ態勢は,各農家に800mクラスのバンカーサイロを数本ずつ設置,鎮圧用のパワーショベルも用意し万全を期す。

◆岡山型酪農の新しい形へ

 農事組合法人「干拓コントラ」は,トウモロコシの栽培を目的に干拓酪農家5人により昨年11月に設立された。本格稼働する来年は,145haでトウモロコシの2期作を行い,6,000tの堆肥消費と12,000tの収量を見込む。生産費はキロ5円台をはじき出す。
 全国有数の規模を誇る笠岡湾干拓地。しかし,未利用地も少なくなく,その有効利用が問われている。トウモロコシの栽培体系が確立し栽培面積がさらに広がることが,笠岡湾干拓地のプラスとなることは間違いない。
 干拓一面に咲くトウモロコシは,干拓長年の課題とこれからの不安を一気に解決するだけでなく,干拓型酪農,いや,岡山型酪農の一つの象徴となるのかも知れない。