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〔畜産農家の声〕

息子と共に

おかやま酪農業協同組合女性部  高田 祐子

 平成8年,長男が新規就農したのをきっかけに,手伝うようになりました。それまでは,主人の会社で経理・プログラム作成等を行っておりました。また,週休2日,夏期休暇,年末年始は旅行に行ったり趣味の食べ歩き,ボランティア活動をしたりの生活をしておりました。
 生まれて初めて触った牛は,とても従順で人なつっこくかわいいものでした。しかし,当初はあまりの大きさにびっくりしていましたが,半年が経過する頃,私には搾乳が向いていると思い,搾乳担当者になりました。ただ,搾ると言っても機嫌の良いときばかりはなく,それは大変でしたが,一日一日の積み重ねが大切だと思い頑張ってきました。
 今では,搾乳時間がとても楽しみになり,牛にストレスを感じさせないようやさしく接し,また衛生面も気をつけています。そういったことから,女性は搾乳に向いているようで,現在は,女性だけで搾乳を行っています。
 会社勤めをしていた頃,定年後は海外で過ごすと決めていました。しかし,今の生活は,朝起きるとする仕事がいくらでもありますので,これはとても幸せなことと感じています。この先,身体が健康でいられるまでは,搾乳を続けていきたいと思います。

◎ 我が家の国際交流

 今,牧場には中国より2人の研修生が来ています。2人とも,真剣に勉強をしてくれて,又働いてくれて,日本語も上手に喋れて,何も支障もなく意思疎通ができています。
 しかし,食文化が違うため自分たちで自炊をしていますが,日本の食生活に慣れてもらうために,料理講習会を開き,日本料理や,中国,韓国,西洋料理など,お互い知っている料理を教え合う,とても楽しい時間を過ごしています。同じ食材でも,使い方が多種多様で,日本では捨ててしまいそうな物まで,利用しています。多くの人に知ってもらい,見習ってほしいと思います。

◎ 酪農のベットタウンの中で

 今現在,干拓地の中に13軒の大型農家や中型農家がありますが,皆さん元気の良い方ばかりで,困ったときは応援・助言・協力をしてくれる,とても力強い地域です。
 酪農を始めて9年目,21世紀になり4年が過ぎましたが,日本の酪農も大きく変化しています。それをどれだけ理解し,意味しているかを考えないと,気がついたときに手遅れになってしまいます。そうならないよう,家族全員力を合わせて頑張り乗り切りたいと思います。

◎ 今年こそ

 来年で酪農生活10年目を迎え,1度立ち止まり,スタートした時からの10年をゆっくり振り返り,又考え,これからの10年を家族で話しあいたいです。また長男には,同じ目標を持った女性と早く出会ってほしいと思っています。娘は,同じ方面に進みたいと考え,心機一転,獣医の道を目指し今頑張っていますが,とても楽しみにしています。
 若い時には,パワーとスピードが出せますが,経験不足なため,思考力には欠けてます。両方が備わっていればパーフェクトなんですが,これからは,若い人に嫌われないよう自分なりに“人生年を重ねて玉になる”よう頑張っていきたいです。