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〔私の趣味〕

デンドロビウム(原種)の魅力

(社)岡山県畜産協会 ABC

 花の女王と呼ばれている,シンピジウム,カトレア,デンドロビウム等の洋ランは,サイズも大型から小型,花色や模様,花の付き方もいろいろのものが店頭を賑わしている。かつては高嶺の花と言われた洋ランは,生長点培養などの増殖技術の進歩により,価格も手ごろとなり一般家庭に普及している。
 洋ランとの出会いは,十数年前に瀬戸南高校の温室であった。それまでは温室などがないと栽培が難しいと思っていたが,そんなに難しくないと言うので,赤いカトレアと黄色のオンシジウムを買って帰った。
 これを枯らさないように冬を越させるため,手作りのフレームの中で管理したところ,見事越冬し翌年もきれいな花を付けた。
 年をとってもに手軽にできる趣味はないかと考えていたので,さっそくワーディアンケースを購入し,最初はミニカトレアを中心に少しずつ増やし,今では種々の洋ランは70〜80株ほどになっている。
 あちこちのラン展を見ているうち,交配種と原種があることを知った。交配種は年々より豪華に美しく,強健に改良されている。一方,対照的に原種は自然の素朴さとどこか高貴さを漂わせており,むしろこちらに魅力を感じている。
 原種の洋ランのなかでデンドロはいろんなタイプのものがあり,また入手しやすいので,小型のものや比較的低温で栽培できるもののうち,房状に咲くものや,総状に咲く半垂性の品種を選んで購入し,夏はこれらを物干し竿にぶら下げて栽培している。多種類の洋ランを一緒に肥培管理することは,種類毎に生育環境が異なるため結構難しく,ある品種に合わせると他の品種が機嫌を損ねうまく行かない。また,夏はいくら酔っぱらっていても,帰宅が遅くも水やりは欠かせない。泊まりがけの出張では,妻に水やりを頼むが,こちらの思うようにはなかなかやってもらえないし,少しでも不満を言うと二度とやってもらえないことになる。
 しかし,毎日の苦労が実り,小さなつぼみがだんだん大きくなり見事に咲いたときの感動は理解してもらえないかもしれないが,大きな達成感がある。これをみんなに見てもらいたいが,家族も近所の人も意外と関心が少ない。そこで,我が家に来た人に強制的に見てもらったり,知り合いに電話し来てもらうが,そのためにケーキを買いに行ったりして,結構たいへんである。
 これからも,ラン展等で一株ずつ増やしたいし,また,3月下旬から4月下旬にタイのチェンマイの奥地からインドのシッキムあたりに行くといろんなデンドロの原種が開花しているとのこと,一度は自生地の樹上で雄大に咲いているものを妻と一緒に見に行きたいと思っている。