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岡山県家畜人工授精師協会設立40周年

岡山県農林水産部畜産課技師 篠田 剛
(岡山県家畜人工授精師協会事務局)

 岡山県家畜人工授精師協会が@人工授精師の社会的地位の向上,A授精技術の向上,B家畜人工授精組織の確立,C家畜生産指導の強化,D家畜人工授精師の適正配置を目的として全国に先駆けて昭和39年に発足して以来,今年で40周年を迎えます。
 当県においては,昭和20年代から家畜人工授精が普及し始めたが,当初保存方法が発達していなかったため畜主が人工授精所に牛を運んで来るという状況でした。その後保存技術が発達し,自転車による出張授精を行うようになりました。昭和30年代にはオートバイを利用して更に広域の授精業務が可能になるとともに,牛の精液凍結技術も確立されました。昭和40年代は凍結精液による人工授精が急速に普及し,定着化が図られた時代で昭和43年11月には凍結精液に全面的に切り替えが行われると同時に種雄牛も集中管理となりました。また自家用車の普及により,自家用車による出張授精が行われるようになりました。


自転車を利用した昭和20年代

オートバイを利用した昭和30年代

 昭和45年には県内の凍結精液利用本数も100,000本を超え,畜産業界における人工授精師の果たす役割が重要となり社会的地位も向上しました。このような状況の中で本協会は,講演会や技術研修会を積極的に開催し,人工授精師の授精技術や知識の向上を図り,乳用牛及び肉用牛の改良増殖を積極的に推進し本県の畜産業の発展に大きく貢献しました。


自家用車を利用した昭和40年代

 その後,昭和57年には本県の畜産試験場および家畜保健衛生所に畜産新技術として受精卵移植技術が導入され,普及に向けてフィールドにおいても試験的に実施されるようになってきましたが,本協会も,積極的に受精卵移植の技術講演会などを開催し移植技術の普及および協会会員の移植免許の習得を奨めてきました。現在では受精卵の凍結技術も発達し,人工授精と併せて農家においても広く利用されるようになりました。
 また,本協会は,乳用牛および和牛の共進会にも積極的に参加しており,特に平成12年度に本県で開催されました第11回全国ホルスタイン共進会ならびに第3回ジャージー共進会,平成14年に岐阜県において開催されました第8回全国和牛共進会において好成績を収めたことは記憶に新しいものと思われますが,繁殖技術指導また出品対策協議会への資金提供など積極的な支援が続けられております。
 このように,人工授精の変遷とともに時代に即応した協会の運営がなされてきましたが,最近の畜産情勢をみますと,国内外でのBSE発生に伴う食肉消費量の影響や農協の広域合併による畜産担当者の減少等畜産農家にとって厳しい状況が続いています。このような状況を打開するためには家畜の改良増殖による生産性及び品質の向上,さらには低コスト生産による経営の安定が重要となっており生産現場に直結している家畜人工授精師にかかる期待は年々大きくなっており,本協会が果たす役割も大きくなっています。
 「この40周年という節目の年に,記念式典を開催し会員である人工授精師の更に結束を強化し,これからも協会を発展させていきたい。」という赤峰会長の意欲的な指導のもと,事務局としてもできる限りの協力をしていきたいと思います。