ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2004年8月号 > 〔普及の現場から〕「簡易放牧を利用した遊休農地の活用」

〔普及の現場から〕

「簡易放牧を利用した遊休農地の活用」

岡山県農業総合センター総合調整部技術普及課 旭分室

1.はじめに

 岡山県内でも近年,飼養管理の省力化や飼料の自給向上を図るため,電気牧柵を利用して遊休農地に肉用牛を放牧する取り組みが試みられています。
 県においても,畜産農家・耕種農家が連携して肉用牛放牧を推進するシステムづくりを支援するための事業が導入されるなど,中山間地域の活性化に対する有効な手法として期待されています。

2.事例の紹介

 ここでは,耕畜連携による遊休農地の活用事例についてそのポイントを紹介します。
 当該地域の実情として,遊休農地所有者は高齢化し,農地の維持管理が困難となって近隣農家に迷惑をかけていたため,肉用牛の放牧による農地管理を推進することとしました。

 指導機関の役割

  肉用牛の放牧が遊休農地をどの様に変えていくかを先進事例の写真等により農地所有者に説明しました。

 市町村等の役割

  農地の貸し借りに際しては,農業委員会を介し,安心して農地を貸すことができるよう農地所有者へ働きかけました。

 耕種農家と畜産農家との連携

  貸借条件や農地管理上の注意等を互いに充分話し合いました。

 地域への働きかけ

  周辺農家,地域とトラブルが発生しないようパンフレット等を用いて,広く周知徹底させました。

3.問題点

 放牧への馴致

  舎飼いの牛の放牧は脱柵のおそれがあり,放牧経験牛との放牧等による馴致が必要です。

 放牧経験牛の確保

  地域によって和牛農家の存在しない場合は関係機関を通じて放牧経験牛を確保する仕組み作りが必要です。(放牧牛バンクの設立)

 農地の機能維持と放牧跡地の有効利用

  農地としての排水機能や畦が崩壊しないよう放牧時の放牧頭数は2頭を単位とし,放牧密度,期間を遵守することが重要です。(2頭にすれば,放牧場での確認も容易で捕獲し易く,異常も気づきやすい。)
 また,放牧跡地を地域としてどのように活用していくかは事前に協議することが必要です。
 このように放牧は遊休農地の荒廃解消と飼養管理の省力化,増頭による肉用牛振興に大きく寄与することが期待されます。