ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2004年11・12月号 > 〔畜産農家の声〕SOS日本農業

〔畜産農家の声〕

SOS日本農業

おかやま酪農業協同組合 女性部 松崎 まり子

 平成16年という年は,私たち酪農家はもとより,日本中の人々が忘れることのできない年になるだろう。
 相次ぐ台風は上陸10個を数え,週明け23号台風の大暴れの週末には新潟中越地震が悲しい被害をもたらせた。失われた尊い命のご冥福を祈ると共に,一日も早い復興を心より願うものである。
 災害時に思いをはせるのは,酪友たちのことであり,その生産の場である。牛たちは大丈夫なのか。エサタンクは倒れてはいないか。電気は大丈夫か。・・・・・
 我が家の被害など取るに足らないものであったが,入りきらない数頭を外で搾乳しているのだが,後半の3つの台風では,ちょうど夕方の搾乳時に当たり,横なぐりの雨風の中で作業,通常の搾乳になってスイッチが入らず,大雨の中修理してもらい安堵した。
 岡山県内においても今年は多大の被害を出したことだろう。つながれたままの牛たちは逃げる術もない。時が来れば乳は張ってくる。エサも与えねばならない。電気がダメになるとパイプラインもパーラーも文明の花とよばれるものなど役にも立たぬ。己が5本の手指が役に立つのみ。多くの仲間の中では手搾りに挑戦した方もいたであろう。
 海が荒れては島に集乳に行けぬ。エサも運べぬ。病牛が出ても獣医も泳いでは行けぬ。どうか来年こそは平穏な年でありますようにと念ずるばかりである。
 新潟で被災した人たちが食の配給を待つ。寒い時には暖かいものが・・・と願う。それが叶わない。何かの警告だろうか。日本の農業はズタズタにされた。何かがおかしい。群馬県でキャベツが豊作だといってトラクターで踏みつぶしていたのは8月か9月のこと。今じゃ,キャベツ1個が500円だと悲鳴をあげる。平成の大厄年に今一度農業は国の柱なのだと生産者も消費者も認識を新たにしたいものだ。