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〔私の趣味〕

老いてますます壮なるべし

唐木 茂樹

 午前5時起床,7時過ぎ勤務地に向けて出発,帰宅は午後6時20分前後,一日の平均歩数約12,000歩,人間ドッグの結果は総て異常なし,両裸眼視力0.9,早い話が「阿呆はマメな」を地で行っている様なものである。2ツとない命,健康に気を配り,妻を愛し,子供には「貧乏と愛情」のみ残して自立を求め,自身は仕事に猪突猛進して標題の如しと心得ている。
 勤務先の獣医師会は「波おだやかにして視界良好」で安堵致しているが,むずかしい問題があればあるほど解決という目標が出来,人間の面白さや人生の楽しさが生まれて来る昨今である。
 不肖,私は生来武骨者で不器用のため現役時代から多くの上司,同僚の足を引っ張って迷惑ばかりかけ本当に何も上手に出来なかった。
 従って,自分に課せられた仕事を消化するのに一生懸命で,勿論,余所見をせず,それでも何も出来ないこともあって多くの人が楽しんでおられる様な趣味を持つことなどとんでもない事で,貧乏と能力欠如が重なって未だに恥ずかしながら無芸大食無趣味である。
 昨今は食物について以前ほど喧しく姦しくは聞かないが,「消費者ニーズ」の声は本当に大切で,確かに消費者あっての生産者や技術者ではあるが,誠に失礼ながら消費者は素人で生産者や技術者は凛とした専門家であるにもかかわらず,素人の声ばかり大きく聞こえ,専門家の声が小さすぎる。素人の方が間違うことは多い。誰に遠慮がいるものか,素人を専門家が教育する部分が確かにある。
 時間をかけて指導することによって食の感覚,習慣は改善できる可能性は多分にある。
 昔の事になるが,学校パン給食の導入はどうして実現したのか,ご存じだろうか。
小麦の生産国云々の詮索は置いといて「米とパン」の比較を小麦生産国の人が日本某大学教授を筆頭に,テレビ,ラジオ等々を通じて時間をかけて宣伝させて学校給食が実現した経緯もある。
確かに宣伝の方法,内容は今に思えば問題があるにしても参考になる部分もある。
 平成6年5月,出勤途中の午前8時前,JR岡山駅表口構内北端で岡山県鉄道警察隊員が追いかけていた窃盗犯を乾坤一擲取り押さえた。勉強の出来る大きな若者だった。罪の意識に乏しくゲーム感覚であったことに失望したが,それよりもラッシュ時だから本当に大勢の人々,屈強な若者もいたのに知らぬ顔や近くの若者は逃げる始末。このことは個人主義社会の進行等に伴う協調性の低下などで,和の意識の廃れた結果なのだろうか(そうかも知れない,実は私はその時,痛い目をして背広が破れたんだから)。
 ひょっとして,もし夜中に泥棒が家に入って「泥棒」と言ったら,隣近所,誰も来てくれないかも知れない,細目に戸を開けて色々確かめるだけかも知れない。それよりも「火事だ」と言った方が人は集まるかも知れない。情けない事じゃ,正義感はどこに行った,どこかで聞いた様な”残念”。
 しかし,口を開けば,ゆとり教育やゆとり生活,第2次世界大戦敗戦国の日本が驚異的な経済発展の背景には粉骨砕身,不惜身命の精神があったからこそで不況を嘆く前に問題打開の近道は総て積極的な奮起あるのみ。いかがでしょうか。