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自給粗飼料の分析結果について

岡山県家畜病性鑑定所

1.はじめに

 当所では、畜産農家の経営安定に資するため、粗飼料(サイレージ、乾草)の栄養成分分析を実施してしています。
 一般成分(水分、粗蛋白質、粗脂肪、NFE、粗繊維、粗灰分、ADF、NDF)については近赤外分析機により、無機成分等(P、Ca、Mg、K、NO3−N)については化学分析法により求め、DCP、TDNについては計算により算出しています。
 そこで、平成13年度から16年度に畜産農家から分析依頼のあった飼料の分析結果を取りまとめましたので、その概要をお知らせします。

2.分析件数及び種類

 分析件数は、平成13年度274件、14年度251件、15年度221件、16年度183件、総件数929件でした。
 種類別には、イタリアンライグラス261件、トウモロコシ139件、チモシー100件、混播牧草99件、稲(ワラ含む)98件、スーダングラス53件、ソルゴー38件、オーチャードグラス33件、その他の牧草60件、その他48件でした。
 利用形態別には、サイレージ675件、乾草200件、その他54件でした。

3.分析結果

 主要なイタリアンライグラス、トウモロコシ及び稲の刈り取り時期の同じものの分析結果を表に示しました。
 イタリアンライグラスサイレージ(出穂期)71件、トウモロコシサイレージ(黄熟期)55件、稲ホールクロップサイレージ(黄熟期)40件の原物中分析値及び乾物換算成分値をそれぞれ日本標準飼料成分表値(2001)(以下成分表値と略す)と比較しました。
 イタリアンライグラスサイレージの水分平均値は47.0%であり、成分表値の67.1%に比べ20%も低い数字を示しました。また、標準偏差が±14.8と大きくバラツキが大きいことを示していますが、これは水分45%以下の低水分サイレージのものが半数以上の37件も含まれているためと考えられます。粗脂肪では1.4%と成分表値1.5%とほぼ同じ値ですが、粗蛋白質では4.7%(成分表値4.1%)と少し分析値が高く、その他の成分ではいずれも分析値がかなり高くなっています。そこで、乾物換算した成分値で比較してみますと、粗蛋白質、粗脂肪、DCPにおいては成分表値よりかなり低い数値になりましたが、その他の成分ではほぼ同じ数値となりました。
 つぎに、トウモロコシサイレージを見ますと、水分66.8%(成分表値72.4%)と粗灰分1.3%(成分表値1.6%)と分析値が少し低く、その他の成分では成分表値がいずれも高い数値となりました。
 しかし、乾物中成分ではNFEとTDNが分析値が高く、その他の成分では成分表値が若干高くなりましたが、ほぼ同じ値と見てよいと思われます。トウモロコシでは刈り取りステージがわかりやすく、一定の品質が得られやすかったものと考えられます。
 最後に、稲ホールクロップサイレージにおいては、水分が59.5%と成分表値62.7%に比べ若干低くなりましたが、その他の成分においてはいずれも分析値が少し高めの値になりました。また、乾物中においても粗蛋白質8.5%(成分値7.0%)とDCP4.3%(成分表値3.55)では少し高めになりましたが、その他の成分においては非常に近似値となりました。稲についてもトウモロコシと同様に刈り取りステージが分かりやすく、しかも、肥培管理が徹底されているためにトウモロコシ以上に一定の品質が得られたと考えられます。

4.まとめ

 最近における粗飼料分析の概要をお知らせしましたが、表中の最大値、最小値、及び変動係数等から判断しても、気象条件、栽培条件、刈り取りステージ、水分調整等により飼料成分はかなり異なることが分かります。
 畜産経営において、飼料給与は重要であり飼料成分の内容を熟知したうえで、無駄なく適切に給与することが、良質畜産物の生産と経営の安定化につながると考えられます。
 一般成分分析では通常3日〜4日で結果を出すことができます。分析希望の方は家畜保健衛生所、農業改良普及センター等を通じて申し込み下さい。分析手数料は一般成分(水分、粗蛋白質、粗脂肪、NFE、粗繊維、粗灰分、ADF、NDF、DCP、TDN)分析は1,050円、無機等成分(P、Ca、Mg、K、N03−N)分析は各590円となっています。