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〔畜産農家の声〕

アトミック農場発! こだわり卵

アトミック農場 和気町 竹本 峰之

 私は、平成11年に脱サラ後、自然養鶏を始めて現在に至っています。
 サラリーマン時代、書店で自然卵養鶏の本を購入し、興味本位で赤鶏を10羽程度飼育し始めました。それを切っ掛けに自然養鶏のすばらしさに引き込まれ、全国自然養鶏会に入会しました。その後サラリーマンに見切りをつけ、以前から夢にまで見ていた自然養鶏を思い切って始めました。
 また、もう1つの切っ掛けは、子供の頃より家で鶏を飼っていたので、何となく鶏に興味を持っておりました。ある日、水田脇のドジョウを取って、チャボに与えたところ約2週間くらい休まず毎日卵を産みました。普段は3日続けて産卵し、1日休むといったペースですが、餌を工夫することで、卵の量や質が変わるということを強く感じました。こうした記憶が強く影響し養鶏を開始したとも思います。
 まず、最初の飼った採卵鶏がゴールデンネック種、ボリスブラウン種、100羽程度からスタートしましたが、現在は、全てボリスブラウン種500羽での自然養鶏を行っています。
 小学生の頃、図鑑で卵肉兼用種のロードアイランドレッド種、プリマスロック種を見たことがあります。この交配種が今でも忘れられない鶏、ゴールデンネック種であります。最初、この鶏は県の総合畜産センターから導入し、体が大きく、強健な鶏で卵は、さくら色で形がやや細長く、卵質もすばらしい物でありましたが、今の流行には乗れず、ゴールデンネックの名前を耳にすることが無くなりました。消費者が卵の外見にこだわらず、質のグレードを重視する時代であれば、日の目を浴びていたと思います。
 私の養鶏の基本は「ごまかしをしない。」ということです。このことを常に頭に置き、日々養鶏業に励んでいます。具体的には、@抗生物質、着色料、化学物質は使用しないAなるべく国内産の飼料を給与するB餌は発酵させるC上質の水を与えるD太陽光線に当てるE土の上で飼うF青物を与える等です。結果、安全で美味しい卵を生産できると信じています。
 今、私が将来のことで心配していることは、世界的な食糧危機の到来です。地球の人口が毎年増加する一方、食料生産は頭打ちです。畜産飼料の面でも、かなりの危機感を感じています。しかし、私は何とか生き残る方法を考え、国内飼料にこだわっています。今後の課題としては鶏へのサイレージ給与を研究していきたいと思っています。しかしながら個人の力には限界があり、関係機関のご協もお願いしたいと思っております。