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〔特集〕座談会 

第12回全日本ホルスタイン共進会・第4回全日本ジャージー共進会に向けて

座談会出席者(順不同 敬称略)             

岡山県農林水産部畜産課 総括参事 柴田範彦
家畜改良事業団岡山種雄牛センター  場  長 和田 功
おかやま酪農業協同組合 改良登録課長  井上哲雄
岡山ホルスタイン改良同志会 会  長 森田一文
おからくジャージー改良同志会 会  長 川合省吾
酪農家代  表 川上泰介
酪農家代  表 松崎範之
(司会)岡山県畜産協会 専務理事 内藤照章

内藤:本年11月3〜6日迄開催される「とちぎファームフェスタ2005」に向けて座談会を開催致しましたところ,大変お忙しい中ご出席いただきありがとうございます。岡山県でも既に全日本ホルスタイン・ジャージー共進会出品対策協議会を組織し準備がなされておりますが,本日は関係者の皆様から栃木大会に向けてどう取り組むか心意気について伺って参りたいと思います。

「とちぎファーム2005」に向けての心意気について

内藤:早いもので岡山大会からすでに5年経過し,栃木大会が目前に迫って参りました。
 まず,県の行政の立場から出品対策協議会の事務局次長の柴田総括参事にお伺いします。

柴田:県の方では,ご承知の通り,平成15年10月に出品対策協議会を立ち上げまして,同時に実働部隊であります出品対策委員会を設置し,候補牛の選抜に取り組んでいるところであります。
 今年度は,すでに5月,6月と地域及び全県の巡回指導を実施しました。7月24日には,第1次の未経産の集合選抜,さらに8月,9月の巡回指導で絞り込みをし,9月26日の最終選抜会で全共に出品するホルスタイン13頭,ジャージー12頭を決定していくべく,今,取り組んでいるところであります。
 特に,岡山大会では,ホルスタイン30頭のうち,19頭が入賞,そのうち優等賞が11頭,また最高位賞を獲得しておりますし,ジャージーについても20頭を出品しまして,14頭の入賞,そして7頭の優等賞ということで,非常に輝かしい成績をおさめられました。今回も,是非,それに負けない成績をということで,出品対策委員会で,目標を設けることになり,全頭の入賞と,ジャージーについては,岡山大会の名誉挽回といたしまして最高位賞の獲得,ホルスタインについては経産,未経産ともに複数の優等賞の獲得を目指し最後の努力をしていくことを誓い合ったわけであります。
 本番まで4ヶ月きっておりますが,今後,和田場長をはじめ,関係機関・出品予定者共に一致団結して頑張っていきたいと考えております。岡山県は森田会長のおひざもとでもありますし,絶対に栃木大会は負けられない大会だと思っております。特に,今年は岡山国体という特別な年でありますので,是非,国体と共に全共でも岡山の強さを全国に届かせていきたいという気持ちでおります。

内藤:実質的に事務局をやっておられますおからくの井上課長からお願いします。

井上:平成15年10月の出品対策協議会の設立から1年9ヶ月余りに成りますが,現場におります私にとりまして設立後の1年程度は,これで大丈夫かなと,という気持ちがありました。そういう中で,家畜改良事業団の和田場長始め,多くの機関の指導によって,現在におきましては燃え盛る熱気が見えてきたと思っています。人もそうですし,牛と人をセットした中で上位にいく可能性が見えかけてきたというのが現状だと思います。
 岡山全共が終わってからも良い成果をおさめたということで,岡山はレベルが非常に高いという声が上がっており,今回の栃木大会に向けましても,恥ずかしくない成績を収めていくという意気込みが上がってきたと思っております。
 私の考えの根底といたしましては,牛があって,人があって,家庭があって,すべての条件が揃って共進会は,成功につながるものだと思っております。家族の力と皆さんの力が一致して,栃木へ行けるのかなと思います。

内藤:岡山大会では,森田会長さんは出品団長として,また出品者としてもすばらしい成績をおさめられました。ホルスタイン改良同志会の会長,全国の協議会長の立場から,お話しいただければと思います。
森田:岡山全共では成績もさることながら,あらゆる分野で今までの全共とは違うイメージを岡山県で作っていただき,今なお県に感謝しております。そうした中で,素晴らしい成績を上げることができて,すでに5年経って,次の栃木全共になりますが,まだ,百十数日ある,いい方をかえれば,もう百十数日しかないといういい方もできますが,目一杯頑張っていきたいと思います。
 県には,組織とすれば,5年前の岡山全共なみの歯車を回していただいた。ただ,回った歯車に農家側がきちっと乗ったかというと,空転した者もかなりおります。これは,いろいろな事情があってのことです。ただここまできますと,歯車が空転した人を拾い上げるわけにはいきません。
 今日の目標を立てれるのも,岡山の場合,ジャージーとホルスタインがセットであるがゆえに,ジャージーは完全優勝をしていただいて,その力を借りながらホルスタインが頑張れるのだと思っています。前回,30頭の中で11頭優等賞,1/3です。13頭の1/3といえば,3.9頭,5頭という言葉も出したのですが,岡山全共より以上の上位入賞割合をねらっていきたいと思っています。そのためには,全頭入賞を目指しながら,4頭ないし5頭の上位入賞。私は,経産は複数いけると思っています。育成が厳しいのではと思いますが,これから残された日々を有効に使う中で,目標達成に向けて目一杯頑張ります。

内藤:岡山大会で初めてジャージー共進会と同時開催についてご苦労されましたが,今回もジャージー共進会と同時開催になりました。ジャージー関係者としての期待をお伺いします。先ほど,森田会長の完全優勝ということで,大変プレッシャーがかかる話がありましたが,責任の重大さを含めてお伺いします。
川合:今回の全共ですけれど,岡山全共が終わったあとで,森田会長が中央で,頑張っていただきまして,合同開催することが認められました。
 岡山全共の時に,若い後継者が多数いまして,大変不慣れでしが,一生懸命やりまして,森田会長を動かした感じもします。早くから栃木全共でも同時開催ということを打ち出していただきましたので,若い会員がすごく本気になり,カナダや全道,ホルスタインのBW等に参加しまして,ショーリングや毛刈り等の技術を身につけまして,今では,岡山県を引っ張っていっているような雰囲気まで見えるぐらいの勢いです。ただ,入賞とかは華麗な数字を残したいですけれども…。ジャージーといえば岡山県といわれながら,前回はグランドチャンピオンが取れなかったので,今回はグランドチャンピオンを大前提にやってきました。若い会員の今の意識からいくと,決して夢ではないと思います。

出品牛対策について

内藤:ホルスタイン13頭,ジャージー12頭出品予定ということで,最終選抜までの,具体的なスケジュールについてお聞かせ下さい。
井上:今後のスケジュールですが,未経産牛につきましては,候補牛が全体では200頭余りいますが,7月24日に全農久世市場で,ジャージー1部・2部,ホルスタイン1部から5部の牛を全頭出品して,選抜と今後の出品技術,マナー等の勉強会を計画しております。審査は和田場長にお願いしております。ホルスタイン13頭とジャージー12頭の最終選抜につきましては,9月26日に行います。最終的には25頭を岡山県代表として選抜し,また,その後につきましては,巡回指導を行いながら,本番に向けての指導を計画しております。本番では10月28日現地到着の予定で,細々としたことは,出品者決定後,いろいろ協議を重ねて,チームワークをとりながら,優秀な成績をおさめれるよう,頑張っていきたいと思います。
内藤:選抜や出品技術等の指導についてご指導いただいている和田場長から候補牛の状況や,最終選抜までの留意事項等について,技術的な面でお話をお願いします。

和田:最終選抜が秒読みとなり出品者の方々は出品牛のコンディション作りに日夜奮闘されていることと思います。最終選抜までの牛作りは日頃の努力で成果は決まります。共進会は勝つことも大きな目的ですが,一番大切なことは出品するまでの牛作りの努力です。まして,全共ともなれば,簡単に代表の座を射止めることはできません。一夜の牛作りでは勝てません。すでに,今年に入り全県を2回巡回させていただきました。その感想は,はっきり言って春の巡回では,「これからどのように牛を作ればいいの」と不安がよぎりました。牛は洗っていない,もちろん毛刈りはしていない。調教は全くなしの状況でした。さらに,牛は過肥状態です。しかし,全共に行きたいという気持ちはしっかり感じたのが2月の巡回でした。5月の巡回で,やっと牛のコンディションが整い始め,牛洗,毛刈りがされており,日頃の管理と情熱を確認させていただきました。特に,蒜山のジャージーは5月以降気合いと酪農家同志の刺激が良い方向に行き,緩い腹も締まり,運動をした筋肉質の移行よい牛を拝見しましたので,やっと,その気になってくれたのだと思いました。最終に向けては,今年の夏は,猛暑ですから,導入牛は勿論のこと,分娩を控えている牛,分娩後の牛は暑さで食い込みが落ちます。暑熱対策は是非やってください。まずは,育成も含め「腹作り」が刊心かと考えています。
 運動は未経産牛で最低3時間は朝夕毎日必要ですし,運動の後に牛洗をすることです。経産牛は引き運動を30分は必要です。森田会長は4頭を毎日引っ張っておられる。これは並大抵のことではないと思います。それから牛舎ではラジオ等を鳴らしておくと共進会場での騒音に驚かないでしょう。いずれにしても如何に肋を作るかが勝敗のカギです。今やらなければ,何時やるのですか。良い汗を流して下さい。
内藤:出品候補牛をお持ちの川上さんから栃木大会に向けての意気込みについてお話しして下さい。
川上:意気込みは充分あるのですが,岡山大会のように,まぐれのようにはいかないと思います。最近,毎日,運動機にかけたり,たまに水洗いとかやっておりますが,なかなか思うような仕上がりにならなくって,乾草を変えてみたり,あらゆることに努力しています。これが多分最後の全共になるのではないかと思って,できる限りのことは行っているつもりですが,思うようにいかないのが現状です。できれば出品したいですが,最終予選まではとりあえず残りたいと思っております。
内藤:若手のホープ,松崎さんに,出品に対する思いと全共に対する思いをお願いします。
松崎:全共に対する意気込み,努力部分では,負けないぐらいの気持ちは持っていますが,なかなか結果がついてこないような状態で,岡山全共には出ることはできなかったですが,就農して11年ずっと共進会・共進会でやってきました。共進会に一生懸命になると,牛の勉強ができる,酪農を勉強できる。会場へ行くと最初は近寄りがたかった人と,話ができると,仲間作りにもなる。和田場長は僕が就農して最初の共進会の審査員をされて,成績は2番手だったのですが,審査講評で,牛は一番よかったけれど,毛刈りで負けたと言われて,牛作りはもちろん毛刈りの勉強を,それが,きっかけで,共進会へもぐり込むことができたと,和田さんに対して感謝しています。栃木全共に向けてということになると,今の僕の立場からいえば,ただ頑張るという一言に尽きると思います。
内藤:岡山大会の出品団長をされ,また,自らも優秀な成績をおさめられました森田さんから,お話をお願いいたします。

森田:私自身都合により共進会へ1年間出場出来ない期間があり,私の人生の中で,悔やまれる1年だったわけですけれども,9月以降には皆さんと一緒にスタートラインにつきたいなという気持ちを持っております。この悔しさというのが,牛作りだけでなく私の人生の中で,一つの節目になった,老骨に鞭打つことができたといういい方も正直いってあります。私の気持ちは是が非でも栃木に行きたいという気持ちは誰よりもあった1年間でありました。今,育成牛2頭と経産牛2頭ノミネートはさせていただいておりますが,この暑さの中で,特に95点をいただいたティナー,これは全国でも注目の的になっておりますが,目一杯ティナーとつきあっていきたいと思っております。
 ティナーとのつきあいが僕の人生だと,あの牛との出会いが僕の人生だと,マジで思っております。目一杯,1日でも長くつきあっていきたい。全体的には,今,候補牛にあがっている牛が,和田さんの手で選ばれるわけでございますけれども,素晴らしい牛を選んでいただいて,25頭の牛がこぞって健康で,栃木の会場を後にすることができれば,成績も必ずついてくると思います。岡山全共のピリオドは,栃木全共で打つんだと,栃木全共が終わらないと岡山全共は終わらないと厳しい考え方をしています。

内藤:ジャージーについては,頭数的にも岡山が多く,全国的にも注目をされていますが,全頭入賞への意気込み,決意の程を川合会長お願いします。

川合:昨年,一昨年と東日本に参加しまして,全国との他流試合をこなしてきまして,それで,全国のレベルがわかりました。そういうのを契機にしていく中で,今度の栃木全共での全頭入賞の,グランドチャンピオンといった賞を総なめにしようというようなことを森田会長からいただいておりますけれども,若い会員の取り組みを見ておりますと,栃木全共を連勝記録を始める一歩にとういうふうに見よいのではないかという気がしております。

現地等での出品対策について

内藤:これから選抜会が行われ,最終出品に向けての取り組みがなされるわけですが,選抜が決定した後,また,栃木の会場に入ってからの飼養管理について和田場長にお伺いします。
和田:選抜が決定してからの管理,会場へ入ってからの管理ですが,いつも森田会長がお話しされていると思いますが,ホルの白い薔薇と岡山全共でのあの忘れ物「ジャージー」の大きな赤い薔薇の花を岡山に持って帰るために最後までコンディションを崩さないというのは当然のことですし,栃木に着いてからは,牛はゆっくり休ませてやって頂きたい。とにかく疲れを早く取り,牧草だけで肋,腹を作ってやることです。
 勿論,共進会当日は,今までの成果を試されるときですから,県民の期待を目一杯感じて,がんがんいってほ欲しいですが,呼ばれなくても前に行くぐらいの気迫で臨めば勝利は向こうからやってきます。大きな勝利に向かって羽ばたいてください。
内藤:現地で牛舎の設営や,関係者の宿泊体制等ご苦労が多いと思います。前回の出品団長を務められた森田会長からご意見をお願いします。
森田:共進会というのは,一つの勝負ですので,勝っていく人,落ちていく人,必ずこれはあります。そういう勝負の世界で勝てる人の気持ち,負けていく人の心,心境というのは,大きな差があるわけです。そこをどうコントロールしていくのかが,長丁場の一番難しい点だと思います。岡山全共は,各県が岡山県のあの大勢での和は素晴らしかったというのが,今なお飛び交っておりますが,岡山全共でやったあのことの再現をやっていかないと,成績につながらないと思います。
 7月24日,9月26日の会場は,そこで落ちていく人はあるわけですから,結局,栃木の会場であるという雰囲気でやってくれる県の側,組織の側も,栃木の全共のイメージを何とか工夫して作っていただきたいし,我々も栃木全共のリングであるというイメージで牛を引きます。
 全共というのは,誰もが夢見ていると思います。その中で,代表になられた責任,従って,マナーだけはきちっと守って,日本一をきちんと示して帰ります。そのためには,部屋の中での和作り,人の言うことだけ聞いているのでは,和は作れません。そのへんは,非常に難しいと思いますが,勝負ですから,落ちていく人の心を大切にしていきたいなと思います。
内藤:大変貴重なご意見をありがとうございました。牛の方はものをいいませんけれども,出品者の方はいろいろな思いはあると思います。前回の出品団員の一員を努められました川上さんお願いします。

川上:団長のいうことを聞いていれば,間違いはない。僕はその時初めての全共でしたから,全然わからなくて,奥の方で寝ていたらしかられ大変だったんですけれども。森田さんのいうことを聞いていれば,まず,間違いがないと思います。
森田:岡山全共の時は,苦口をいう吉田さんがおられたでしょう。年寄り役で。あの人が大分苦口を言ってくれたんです。
内藤:そういう年寄りの脇役というのが必要ですね。松崎さんは当時の旭東酪農の若手の一員として,裏方を献身的に努められたように見受けましたので,ご意見をお願いします。

松崎:岡山全共の時には,出品できなかったので,裏方の,写真撮影の手伝いをしました。最初は,屈辱的でプライドが傷ついたという思いもあったのですけれども,共進会というのは,そういう人もあって始めて,成り立っていく。一つの勉強になって,あれも貴重な体験だったのかなと思います。

森田:お手伝いをしてくれる周囲の人,組織の人,仲間の人に対する心遣い,これができないとだめですよ。ありがとうございますという感謝の気持ちがないと。

今後の全国共進会のあり方について

内藤:今回でホルスタイン共進会も12回になりますが,今後の全国共進会のあり方等について意見がありましたら,順次お伺いしたいと思います。まず,柴田参事お願いします。
柴田:これは個人的な知見ですが,開催場所については,固定とブロックを持回る方法とありますが,共進会が地域の活性化や消費者とともに歩んでいける大会するためにはブロックの持回りが良いと思います。しかし,多額の経費がかるので,国体でもスリム化ということがいわれておりますが,できるだけ既存施設を利用しながら,規模とか頭数とかも考えていかなければと思います。平成14年に和牛の全共が岐阜であった時,ちょうど,BSEが平成13年に出た後の大会であったこともあって,非常に食の安心・安全というのが全共でもいわれた年でもありました。その時,初めて来賓として消費者団体の代表者が祝辞を述べられました。その中に非常に印象に残った言葉がありまして,「こんな素晴らしい大会があるのを,私達消費者団体は,初めて知りました。なぜ,もっと生産者の方々,畜産サイドの方々は,そういうことを私達にも知らせてくれなかったのですか?」というようなことが今でも脳裏に焼き付いています。これからはそういう団体も巻き込んでいくことが,消費者の理解を深めるような大会にもなっていくと思います。
内藤:次に生産者団体の立場から井上課長お願いします。
井上:共進会につきましては,賛否両論が生産者の方にもありますが,牛の特徴なり改良の方向をつかむ意味で,必要なことだと思います。出品される農家の経費の負担もあり,経済面からしたら,得心がいかない面もありましょうが,大きな意味があると思っております。
 13回につきましては,北海道にほぼ確定しておりますが,総会の中である理事が「全共を5年に1回ではなくて,常設した会場をもって,2年なり3年なりのサイクルをもって,寄りやすい場所を設定することも必要ですよ」と。牛が寄りやすい場所として統一した会場を使いながら,全共にということを考えるべきじゃないかという意味合いのことがありました。
 共進会を知らない方,一般消費者にもアピールをしながらいくことも必要なことじゃないかと思います。
内藤:改良協議会の立場から森田会長お願いします。
森田:理想的,基本的な考え方からいけば,柴田参事がいわれたように,地域を回ることによって,地域の活性化と,消費者との接点が求められ易いが,これをすると大変なことです。大変な苦労であるけれど,大変なことをクリアして初めて大きな成果があると考えております。しかし,現実論からいけば,内地で共進会をやるところはございません。固定的に,生涯やれる施設をつくってほしいと農水省にも県の代議士にも,何度かお願いしておりますが。第13回は北海道で開催していただく。北海道はホルスタインの拠点で,共進会場がいくつも素晴らしいのがある。もう一つは頭数は少ないけれど,ジャージーの先進県の地元で一つリングがあってもいんではないかと,蒜山の国体の馬術会場の跡地を何とかそういうものに変身してもらう等共進会を行う場をどうしても作ってほしい。共進会というのは,結局,牛の改良度を競うだけの場ではないですよ。後継者育成の場ですから,後継者がそこに来て,消費者が来ればそこで恋も芽生えるのですから。
内藤:貴重なご意見ありがとうございました。第5回のジャージー全国共進会に向けて川合会長お願いします。
川合:やることは,いいことですよ。お金がどうのこうのといいますけれども,それもかまわないと思います。5億かけたら10億返せばいい話ですから。ですから,共進会だけではなくて,ヨーロッパやアメリカのように,一般のお客さんが楽しんで,家族連れでこれるとか,特産物が買えるとか,そういう部分では,1つ足らないのがPR。提供するもの,それはサービスです。情報を発信するという部分が全然足りてないのではないかな。サービスといえば行政の仕事となりますが,酪農家も努力をすべきであるし,情報の発信という意味でイベントは続けることに意義があると思います。
内藤:13回は北海道にほぼ決定だという話を含めて和田場長お願いします。
和田:山口県が県共で,農業ショーをやった。漁業,林業,畜産,全部ですごい人ですよ。山口市の隣に農業公園がありますが,そこでありました。畜産だけでなく,農業全部でした。すると,特産品,何でもあると。
川合:人は呼びやすいですね。そういうのは。
内藤:続きまして,川上さん,松崎さんお願いします。
川上:僕はカナダのロイヤル,去年はワールドデイリーエキスポへ行かせてもらったけど,ロイヤルは,トロントのダウンタウンから車で5分ぐらいのとこにある。町の中,それが常設でロイヤルを見たきゃ,トロントにいけばわかる。
 日本の場合は開催地が変わってしまう。できれば大都市周辺で常設にしてほしい。多目的ホールで,その時だけ共進会で利用するというのが欲しいなと思います。14回からは大都市周辺でタクシーで5分で行ける所。向こうではお客さんも子供や女の人がものすごく多い。これには,ちょっと感動しました。
松崎:皆さん言われたとおりだと思います。
内藤:皆様方にはお忙しい中,貴重な話を賜りありがとうございました。これをもちまして本日の座談会を閉じたいと思います。

(この座談会は2005年7月5日に開催したものです)