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随   想

原  滋

 平成3年3月に県を退職して岡山へ津山線で通勤することになり,岡山県畜産会(現岡山県畜産協会)に4年間お世話になりました。
 その後も畜産アドバイザーとして畜産会の仕事を真庭家畜保健衛生所に駐在して5年間やらしていただきました。
 当時の畜産農家は色々な面で希望をもって経営にあたっていて,特に蒜山地域ではジャージー牛の一大産地となり酪農製品の加工が蒜山酪農協にて行われヨーグルト,カマンベールチーズ等やジャージー牛肉のバーベキューなど観光地産業の基地となっていました。
 そのため,ホルスタイン牛とジャージー牛の混合飼育がジャージー牛専門に変遷する農家も増え,一戸当たりの飼養頭数も多くなっていました。
 これらの農家の経営指導は全国的な先生を招いて講習会を開いたり,家畜改良事業団の先生等のご指導により夢のある経営を進める農家も多くなり,たのしい経営コンサルタントができました。反面,和牛は肉用牛としての改良面で先進県より少し遅れをとったのでしょうか,種雄牛の問題や畜産物のトレサビリティシステムを中心に県民に対して情報発信のため「育種価」や後代検定の実施による産肉性の高い種雄牛作りが強く要望され農家も色々悩んでいて育種価の良い牛の飼育が市場性と経済的にもよく「おかやま和牛」のブランド定着をと県団体,農家組合はあせっていました。
 最近は,外国牛の輸入制限もあり和牛農家は落ち着いて経営に努めているようです。
 今は,環境問題が県北の地でもきびしくて色々と条件に合わない酪農家は後継者不足とあいまってやめてしまうため,わが鏡野町でも搾乳牛農家はなくなりつつあります。
 肉用牛農家は改良組合を作って頑張っていますので,堆肥はこの方面から頂いて有機野菜を作り夢広場が鏡野町にあり店舗としてはよく販売していますので,出荷をしています。
 飼料対策として,県は粗飼料増産推進計画なるものを作って草地の造成整備,転作田の有効利用による作付面積の拡大を叫んでいます。30年来この問題は展開されていますが,依然として外国飼料の輸入に頼り,BSE等感染症問題がおきてくるので,農家は安心して飼養できず困惑しており,加えて農業を取り囲む環境が悪いので,若者の定着が少なく社会問題となっているようです。(少子高齢化問題と同様に)
 家畜衛生問題でもグローバル化と共に口蹄疫,BSE,高病原性鳥インフルエンザなど悪性伝染病の発生が多く,県家畜保健衛生所,家畜病性鑑定所の充実強化を図り,危機管理体制の整備や監視体制の充実強化を早急に要望していかなければならないときです。
 特に,獣医師制度について6年制にして臨床部門を中心に充実するといわれながら,国立大学の獣医学部には程遠いものがあるようです。種々,検討をされ試案は出されるが,実現をみず,一時,九州大学,東北大学に統合案も新聞紙上に出たことがありましたが,各大学の事情が財政面からか進展せず,日本獣医師会としても強く要請されているようです。今日,獣医界も時代が変わり全動物や公衆衛生問題や動物愛護問題等社会のニーズも変わってきています。
 早急に問題を解決され,医歯薬界に匹敵する様に日頃より思い悩んでいるものです。
 農村にも若者が定着して過疎と後継者不足から田畑山林業を活性化してくれれば,活力が戻ってくるのですが,将来,大変な問題になっていくと頭の痛い今日この頃です。
 田舎に帰ってみると種々の世話役がいっぺんにやってきて,毎日毎日が出歩くことで我が家の仕事は出来ず,不足の言葉を聞くのみです。それに加えて病院とは無関係のように思っていた小生もよる年並みには勝てず,岡山の病院から津山市,鏡野町の病院と渡り歩く始末で,「生かせいのち」のことわざの様に頑張らねばと高野山の真言宗総本山や比叡山延暦寺にお参りして御仏の力にすがりたい今日です。