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飼料自給率向上にむけて

岡山県農林水産部畜産課

1 耕畜連携の課題

 先般,食料・農業・農村基本計画が見直され,にわかに食料自給率向上が議論されるようになりました。その中に,「水田を粗飼料生産の基盤として位置付ける」という考え方があります。これは単に畜産サイドの課題というわけではなく,耕種サイドでも低・未利用地が増えている現状があり,これを畜産との連携により有効に活用しようという話しです。
 かつての農村では,耕畜連携という言葉はありませんでした。そのような言葉は必要なく,当たり前のように稲わらが牛の飼料として与えられ,未利用地には牛が放牧されていたのが農村でした。やがて畜産農家が専業化・点在化するようになり,こうした連携が行われなくなっています。
 現代は情報社会とは言うものの,畜産農家と耕種農家を結ぶ情報は著しく不足しており,耕種側からすると,近くに畜産農家がないため,飼料作物を作るとか牛を放すという発想がなく,結果として不作付地や耕作放棄地が増加することになっています。一方で畜産農家は,地域から粗飼料を入手できなくなり,やむを得ず購入飼料に依存するという悪循環に陥っています。特に本県の場合,畜産農家は県北に,大規模稲作農家は県南に偏っているのが現状で,貴重な資源の有効活用が十分に行われていません。

2 自給率目標について

 そのような中,「食料・農業・農村基本計画」並びに「酪農及び肉用牛生産の近代化に関する基本方針」が見直され,平成27年度における食料自給率(カロリーベース)を,現状40%から45%に引き上げる目標が定められました。
 この目標を達成するため,粗飼料自給率を現状76%から100%に引き上げ,さらに食品残渣等を利用し濃厚飼料を現状10%から14%に引き上げれば,飼料自給率は10%以上向上し,食料自給率を1%以上引き上げることになります。食料自給率の向上目標は5%なので,これは,1/5を畜産が担うこととなります。

3 本県の取り組み

 そこで県では,平成17年度飼料自給率向上特別プロジェクトとして,稲わらや転作飼料作物等を販売したり,放牧用地を提供したい稲作農家等と,それらを購入・利用したい畜産農家とを結びつけるため,畜産農家と稲作農家等のお見合いをイメージしやすいアンケート様式を作成し,全県的に要望調査を行うこととしました。その後,市町村が結果を取りまとめ,各農家等に情報発信した後,粗飼料の仲介・斡旋に,市町村や農協,県などが協力して行う取り組みを考えています。
 具体的には,次のとおりです。

@稲作農家と畜産農家にアンケートを実施します。
A後日,参加者全員に調査結果と相手の連絡先が提供されます。
B飼料の取引価格等は,相対で交渉してもらいます。
C市町村や農協,県などが仲介・斡旋に協力します。

 飼料自給率向上には,耕種農家と畜産農家の連携が不可欠です。しかし,立地条件等の変動により個々の農家のみでは十分な連携はできません。このネットワークシステムを県下全域で展開するためには,行政機関やJA等の支援が欠くことができないものと考えます。今度こそ,自給率向上のために,耕畜連携を軌道に乗せるようがんばりましょう!